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メンズを撮る理由 五(終)|2020.4.15

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高校に上がり軽音部に入ってから音楽雑誌を読むようになった、
私はそこでとある写真に感銘を受ける。
rockin’onの東京事変活動休止特集に載っている古渓一道氏の撮影した写真だ。
その写真は紙吹雪の舞う中拡声器を持ってステージを闊歩する椎名林檎の写ったものである。
力強さと華やかさという椎名林檎の魅了がギュッとされていて、私はこの写真に魅せられた。
そして、私もこんな風に人の気持ちをつかむような写真を撮りたいと思うようになった。

そこから家族のコンデジを借りて、写真を撮るようになり、
被写体はもちろん日頃から身近かつ憧れて仕方がない男子になった。
そこで椎名林檎氏の写った写真に魅せられたから女性に被写体が向かないのは、
あくまで憧れや尊さというカテゴリの中で椎名林檎氏と男子が同一なんだと思う。
なりたいけど、なれないそういう思いを撮ることで昇華している。

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撮って部員に喜んでもらうことがすごく嬉しくて、引退までのわずかな時間を撮りためていった。

今はあまりバンドのライブを撮ることはなくなってしまったけれど、
あの古渓氏の写真を見たときのグワッときた感情を忘れないように、被写体が放っている力強さや誰かに何かを伝えようとする姿を私が損なわないように、より魅力的に見えるように心がけて撮影している。

カメラを持ち歩いていると、もっといろんなものを残しておきたくなり、
私がいて彼らがいるという共に過ごしている時間や関係性も撮るようになった。

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今となってはこういう写真が最近の作品作りの軸になっていて、
「羨望、憧憬、愛着」と言う作品の基盤となっている。

こうして写真を撮っていると、さらに学びたいと思って進学を芸術系を選んだ。
大学入学とともに青山裕企氏の元に師事し、ポートレート的に人を撮ることも始めた。
中学から煮詰まった男子への庇護欲と性欲があるので、力強く、逞しく、というよりも可愛らしくと言う形になった。

ここら辺なんかまさしくそうである。
可愛らしく撮るために男子をダンボールなんかに入れて撮ることもやってみた、捨て猫捨て犬って可愛さ倍増して見えるよねみたいな感じ。

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庇護欲爆発である。

最近は逆にヌードを撮ってみたいなと思っていて、力強く、逞しくも尊くて守りたい、私のなりたい象を写したい。
実は2年前ぐらいにやろうと思っていたのだけどうまく練り切れず断念してしまった、きっと今ならやり切れるのでまた挑戦してみたい。
ここに書くことで自分でもなぜメンズを撮るのか、ということに改めて整理がついたのできっといい写真が撮れると思う。

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ミシマヒトミ
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