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星5♡ドラマ『Mr.&Mrs. スミス』日系アメリカ人女性にものすごく共感するから見てほしいですアマプラ

Mr.&Mrs. スミス、2024年2月に配信が始まったばかりのこのドラマ。
夫婦役を演じたアンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットがそのまま本当に結婚(のち離婚)したことでも有名な映画「Mr.&Mrs. スミス」のドラマ版ですが、「スパイ同士の夫婦」という設定以外は全て別物。

まず1話を最後まで見ていただいたら面白さが分かります!ともかく見てほしい!
スパイとして仮面夫婦を演じることになった黒人男性ジョン・スミス(偽名)と日系アメリカ人女性のジェーン・スミス(偽名)
仮面夫婦としてぎこちなくも穏やかな日常を始めるが、予想外でちょっと洒落た急展開が待ち受ける、間違いなしのストーリー。
映画ではブラッド・ピットの顔面のスパイとアンジェリーナ・ジョリーの顔面スパイ、というかなり非日常的なルックスと設定だったのが、人の良い黒人と、どこにでもいそうな日系アメリカ人というぐっと親しみの持てるスパイ夫婦(目立たない様に過ごしている)になっているのがアマプラ版スミス。

職業はスパイなので日常的な銃撃戦、カーチェイス、窃盗に盗聴、死と隣り合わせでダーティな世界観たっぷりな筈なのに、スミス夫婦の会話がものすごく日常的な話題に満ちているのが面白いところ。

ここで1話でわかる程度の2人のスペック
Mr.スミス(ジョン)
・元軍人
・誰にでも好かれるし人懐っこい
・機械に強い
・女性に言われた言葉?は「感情的で無知」
・母親が大事

Mrs. スミス(ジェーン)
・元 CIA関係者?
・秘密主義
・機転が効く
・男性に言われた言葉?は「無感情でずるい女」
・猫と本が好き(家族をあまり良く思っていない?)

簡単に言えば正反対の2人が吊り橋効果で恋に落ち、沢山お互いに話したり分かり合ったり、分かり合えなかったりします。
話してる話題は殺人も含む様なスパイの仕事の話なのに、話している内容は「俺のやる事を尊重してほしい」「私が優秀な事に嫉妬しないでほしい」など共働きの夫婦そのものの会話だったりします。
スパイという仕事をしているのに子供を欲しがるジョンに対し「こんな仕事してるのに無理に決まっている」と言うジェーン、「良い親になる自信がないんだ」と煽るジョン。これは喧嘩になるぞーっと思っていると案の定喧嘩する夫妻。
私は終始ジェーンに共感しましたが、アメリカではジョンに共感する方の方が多いかもしれない。どっちにも共感できるし、共感できない方が悪い訳じゃないこともわかっている。まさに「日常系」スパイドラマです。

日本人女性に一番注目してほしいのはジェーンの演技です。
男性から見たらミステリアスだけど、アジア女性なら「分かる……。」と思わせる演技力と脚本が沁みます。
例えば常に冷静な無表情をしているのですが、それは日々感じる沢山の怒りを努力して抑え込み、関係性が衝突しないように「場をケア」しているのがその表情ひとつから伝わってきます。
ですがそれを「冷酷」「無感情」と判断されてしまう日系アメリカ人女性。辛い……。
そして男性の暴力的なものに怯えてもいるのに、男性の武力をあてにして、ジョンが任務中離れるのを嫌がったり、矛盾を抱えています。
ターゲットの男性に怒鳴られた時も、言う事を聞く必要はないのに思わず従ってしまったり…辛い。

一方ジョンは、最初はうまく分担出来ていたのに、段々とジェーンを管理したがったり、気を許してきたジェーンに対して「最近は従ってくれない」と言ってしまったり。辛い。悪い人って訳じゃないのに、ジェーンの触れてほしくないところばっかり上手に指摘してしまうジョン。
ジョンはただ仲良くしたいだけなのに!

感情面ばかり書きましたし、そこが魅力でもあるのですが、ストーリーもひと捻りふた捻りあって最後まで気が抜けません。
家具や服装が素敵なのも重要ポイント。
マフィアものやスパイものは調度品が素敵なことが多いのも魅力ですよね。
何よりMr.&Mrs. スミスはストーリー展開が洒落ているのがなんだかんだ一番好きなポイントかもしれません。
かっこよさを押し付けるのではなく、洒落ている。説明が難しいけどとにかく洒落ている。
あと詰めが甘くてハラハラする。スパイなんだからしっかりしてほしい。

最後に、なんとジョン役のドナルド・グローヴァーさんは主演を務め、クリエイターと製作総指揮も担当しているらしい。すごい。
この作品は監督が6名いるようで、それが多角的な視点で物語を作れるポイントなのかもしれません。


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