20.【苦手を克服】足関節の症候群
このブログは、MSI(Movement System Impairment)について解説することを目的としています。
MSIについては、こちらをご覧ください。
MSIでは、身体の動きがきっかけで生じた痛みの原因を解明し、改善するプロセスを学ぶことができます。
はじめに
今回は、足関節の症候群について紹介します。
足部・足関節は多くの骨が連結しているため、構造が複雑です。
そのため苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか?
私自身、経験の少ない頃は足部・足関節に対して苦手意識を持っていました。
しかし、MSIを学び、運動のエラーからタイプを分類するという考え方をすることで徐々に問題点を整理できるようになりました。
MSIでは足関節の症候群を6種類に分類しています。
どのようなパターンがあるかを理解することで、治療の方向性をつけやすくなります。
今回のnoteでは、以下の2点がわかる内容になっています。
① 足関節の症候群にはどのようなものがあるか?
② 各症候群はどのような特徴があるか?
⭕️足関節のリハビリに苦手意識を持っている方も、そうでない方にとっても、学びのある内容になっています。
動きの問題を理解することで、痛みの原因を理解することができます。
是非最後までお読みください。
足関節の症候群
足関節の症候群には下記の6種類が含まれます
・回内症候群
・回外症候群
・背屈不全症候群
・低可動性症候群
・足部/足関節機能障害症候群
・近位脛腓関節滑り症候群
各症候群は、どのように分類されるのでしょうか?
細かくみていきましょう。
回内症候群
荷重位における過剰な回内が関係しています。
足部・足関節は柔軟すぎる状態になっています。
いわゆる扁平足の方はこの症候群に分類されることが多いです。
内側は過剰に伸長されるストレスが生じ、外側は圧縮のストレスが生じます。
介入方針は、距体関節の背屈可動域の改善と回外・底屈筋群の活性化です。
靴や中敷の選択も重要な要素になります。
回外症候群
荷重位における過剰な回外が関係しています。
足部・足関節は硬すぎる状態になっています。
いわゆる甲高の方は、この症候群に分類されることが多いです。
外側は過剰に伸長されるストレスが生じ、内側は圧縮のストレスが生じます。
介入方針は、距体関節背屈・第1MP関節背屈可動域の改善と荷重時の衝撃吸収機能の改善です。
衝撃吸収機能の低下に関しては、股関節の機能不全と関連していることも多いです。
背屈不全症候群
距体関節背屈不足が関連しています。
距体関節背屈制限は多くの症候群と関連していますが、回内症候群、回外症候群、低可動性症候群が除外された場合に背屈不全症候群に当てはまります。
足関節背屈不足を早期の踵挙上やMP関節伸展で代償していることが多いです。
介入方針としては、距体関節背屈可動域の改善です。
低可動性症候群
足部や足関節の生理学的運動もしくは関節副運動の制限と関連しています。
関節の退行変性や長期間の不動が関連しています。
背屈のみでなく、底屈の制限や周囲の関節も同様に制限されていることが多いです。
可動域のみでなく、筋力やバランス機能低下を有することが多いです。
介入方針は、関節への負荷を考慮しつつ、可動域・筋力・バランス機能の改善を目指します。
足部/足関節機能障害症候群
炎症など、組織保護が必要な状態で運動機能検査が行えない場合が当てはまります。
外傷や術後など起因が明確なケースがほとんどです。
術後プロトコールなどに準じた段階的な介入が必要になります。
近位脛腓関節滑り症候群
ハムストリングスの収縮に伴う腓骨の後方・上方偏位が特徴です。
捻挫後の脛腓関の不安定性に起因して生じることが多いです。
介入方針は、近位脛腓関節を安定することです。
テーピングが有効ですが、総腓骨神経の圧迫には注意が必要です。
まとめ
今回は、足関節の症候群についてまとめました。
足部・足関節は構造が複雑で苦手意識を持っている方も多いと思います。
私自身、そうでした。
しかし、MSIを学ぶことで考え方を整理することがでました。
そのように感じる方が一人でも増えれば幸いです。
少しでも良いなと思った方は、「スキ」を押していただけると今後の記事作成の励みになります。
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