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23.【前方頭位になっていませんか?】頚椎の症候群について

このnoteは、MSI(Movement System Impairment)について解説することを目的としています。

MSIについては、こちらをご覧ください。

MSIでは、身体の動きがきっかけで生じた痛みの原因を解明し、改善するプロセスを学ぶことができます。

はじめに

今回のテーマは、頚椎の症候群についてです。

頚椎は頭部を支える重要な部位です。

デスクワークやスマホの使用などは前方頭位になりやすく、頚椎に負担がかかりやすいです。

現代の生活様式は、頚椎に負担がかかりやすくなっています。

臨床現場では、長引く頚部痛で悩んでいる方が多い印象です。

頚椎の痛みがどのような姿勢や動きで生じているかを把握することは、
頚部痛の原因を改善することにつながります。

今回のnoteでは、以下の3点がわかる内容になっています。

  • 頚椎の特徴

  • 頚椎にはどのような症候群があるか?

  • 各症候群の紹介

是非、最後までお読みください。

頚椎の特徴

頚椎は大きく3つの役割を持っています。

  • 頭を支える

  • 頭を動かす

  • 脊髄を保護する

成人の頭の重さは、体重の約10%、約4~6kg程度と言われています。
これは、ボウリングのボールや、お米1袋とほぼ同じ重さです。

頚椎は脊柱の中で最大の可動域を持ちます。
屈伸可動域は下部頚椎で大きく、回旋可動域はC1/2で大きいのが特徴です。

脊柱管内を脊髄が通っています。
頚椎由来の神経症状は、脊髄もしくは分岐した神経根の圧迫刺激などによって出現します。

頚椎

画像はプロメテウス解剖学アトラスより引用

https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/89448

頚椎にはどのような症候群があるか?

頚椎の症候群は、以下の5つに分類されます。

  • 頚椎伸展症候群

  • 頚椎回旋症候群

  • 頚椎屈曲症候群

  • 頚椎伸展回旋症候群

  • 頚椎屈曲回旋症候群

頚椎の症候群は、腰椎の症候群と同様に、伸展・屈曲・回旋の組み合わせで決まります。

特に臨床で多いのが、伸展症候群と伸展回旋症候群です。

これはデスクワークの多さなど現代人の生活習慣と大きく関連しています。
このnoteを書きながら、私も前方頭位になっていたので慌てて修正しました。

こんな姿勢で作業していました

各症候群の紹介

各症候群を簡単に紹介していきます。

頚椎伸展症候群

頚椎伸展時に痛みがあるのが特徴です。

頚椎の屈曲制限がある場合があります。

前方頭位のアライメントとの関連が大きいです。

安静時のアライメントでも頚椎伸展が見られることがあります。

頭痛との関連も指摘されています。

胸椎後弯も頚椎伸展症候群と関連する

頚椎回旋症候群

頚椎回旋時に症状が出現します。

頚椎の場合、屈曲か伸展を伴う場合が多いです。

持続的な頚椎回旋アライメントが関連しています。

就寝時の持続的な回旋も影響する

頚椎屈曲症候群

頚椎屈曲アライメントが特徴です。

長時間の頚椎屈曲位により、頚椎伸展筋群の延長・弱化が生じています。

スマホ仕様に伴う長時間の頚椎屈曲位

頚椎伸展回旋症候群

回旋の時に痛みが生じるのが特徴です。

頭頸部が伸展位であれば可動域の早期に痛みが生じます。

頚椎伸展位を修正すると、疼痛の出現は遅れます。

どちらか一方の視覚あるいは聴覚障害がある場合もあります。

持続的な頚椎伸展回旋位は症状を促す

頚椎屈曲回旋症候群

頚椎の屈曲・側屈・回旋を伴う動作で痛みが出現します。

頚椎前弯カーブの減少が見られます。

頚部領域の筋群の非対称が見られることも多いです。

脊柱側弯と関連している場合もある

まとめ

今回は、頚椎の症候群について紹介しました。

頚椎は長期にわたり痛みに悩む方が多いです。

そのような症例では、生活習慣において持続的なアライメント不良が生じていることが多いです。

頚椎の痛みに対しては、日常生活のやり方を修正し、動作のエラーを修正する、MSIの知識が大いに生きてきます。


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