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13.【MSI主要コンセプト8-7】標準化された検査が必要

このブログは、MSI(Movement System Impairment)について解説することを目的としています。
MSIについては、こちらをご覧ください。
MSIでは、身体の動きがきっかけで生じた痛みの原因を解明し、改善するプロセスを学ぶことができます。


はじめに

今回は、”標準化された検査が必要”についてご紹介します。
学生時代に学校で健康診断を受けた時に、内科医の先生に診察してもらった事を覚えていますか?
先生が変わってもほぼ同じ流れで、同じ内容の問診・視診・触診だったと思います。
内科医の先生は標準化された検査を繰り返すことによって、人が変わっても、漏れなく、小さなエラーを発見することができます。

理学療法の現場ではどうでしょうか?
残念ながら、人によって評価内容が異なるのが現状だと思います。

これは、理学療法現場において標準化された検査が十分浸透していないからです。
今回は、標準化された検査がなぜ必要なのか?、MSIの提唱する標準化された検査とはどのようなものか?、について解説していきます。

標準化された検査がなぜ必要なのか?

そもそも“標準化”とは、どのような事を指すのでしょうか?
日本規格協会では、標準化を以下のように定義しています。

“標準化とはインターフェース(接点)を作ることである。”

https://www.jsa.or.jp

標準化されている代表的なものは、言葉や文字です。
これによって人と人の間で情報交換が可能になります。
標準化の目的はいくつかありますが、最も重要な事は、情報・認識の共有です。
逆に言えば、標準化されていないものは情報・認識の共有が困難になると言えます。

長さも標準化されているからすぐに人に伝わる

理学療法の現場では、ROMやMMTなどの標準化された個別の検査はありますが、患者さんの身体の動きを含めた標準化されたパッケージは浸透していません。
評価が標準化されていないと、セラピスト間での情報・認識の共有が困難になってしまいます。
その結果、セラピストによる理学療法の提供にもばらつきが生じてしまいます。
この問題を解決するためにも標準化された検査は必要になります。

ROMなど数値化できるものもある

MSIの提唱する標準化された検査とはどのようなものか?

MSIでは、標準化された”系統的検査(以前は標準検査と呼ばれていました)”を通じて症状に関連する身体の動きのパターンを評価して分類を行います。
”系統的検査”には、上肢と下肢があります。
胸椎から上は上肢の系統的検査、腰椎から下は下肢の系統的検査を行います。
系統的検査の項目には、立位での動きの評価、臥位での筋力・筋長・運動パターンの検査などが含まれています。
立位の系統的検査で仮の分類を決めて、臥位での検査でその分類で正しいのかを確認していきます。
基本的には、すべての検査を行うことで抜け・漏れが無いように評価を行います。

これらの系統的検査を行うことで、セラピスト-患者間、セラピスト-セラピスト間の情報・認識の共有がしやすくなります。
セラピスト-患者間では、どのような動きが症状に関連していて、どうすれば改善につながるかを明確にすることができます。
セラピスト-セラピスト間では、どのようなパターンで患者さんが動いており、どのような問題が生じているかという認識の共有が容易になります。

まとめ
今回は、MSIの重要な8つのコンセプトの一つである、「標準化された検査が必要」についてご紹介しました。
標準化された検査を行うことで共通言語が生まれ、情報・認識の共有がしやすくなります。
また、標準化された評価を繰り返すことで評価の精度が上がっていくこともメリットの一つです。

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