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7.【MSI主要コンセプト8-2-2】関節内の相対的柔軟性
このブログは、MSI(Movement System Impairment)について解説することを目的としています。
MSIについては、こちらをご覧ください。
MSIでは、身体の動きがきっかけで生じた痛みの原因を解明し、改善するプロセスを学ぶことができます。
はじめに
多くの関節でつながっている身体では、「相対的柔軟性」が重要になります。
「相対的柔軟性・硬さ」には、”関節間”、”関節内”、”筋”の3種類が含まれます。
前回は”関節間”の相対的柔軟性について解説しました。
今回は「関節内の相対的柔軟性」についてです。
「関節内の相対的柔軟性」とは何か?、なぜ重要なのか?解説していきます。
関節内の運動とは?
はじめに、関節内の運動について簡単に復習していきます。
関節が動く時には、関節面の凹凸に合わせて様々な動きが生じます。
その中でも、「転がり」と「滑り」は重要な要素になります。
転がりは、回転の動きです。
滑りは、並進の動きです。
転がりだけでは関節が安定した状態から外れてしまうため、
滑りの運動を伴うことで関節が適合の良い状態で動くことができます。
MSIでは関節が適合の良い状態で軸回旋する状態を理想的な関節内の運動が生じている状態と考えます。
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画像ははりプラザより引用
関節内の相対的柔軟性とは?
「関節内の相対的柔軟性」とは、”関節内でどの方向に動きやすいか”を意味します。
関節内では関節の運動方向に合わせた、副運動(転がりと滑り)が生じています。
特定の方向に動きすぎる「過剰可動性」があると、
それに合わせて関節内の副運動も特定の方向に動きやすくなりすぎてしまいます。
具体的な動きで考えてみよう
例えば、肩関節外転90°の位置(2nd position)での外旋の動きで考えてみます。
この場合よくみられる関節内副運動の過剰な動きは、上腕骨頭が前方に動きすぎてしまう、「上腕骨頭前方すべり」の問題です。
これは肩関節後方の組織(関節包後部,三角筋後部線維・大円筋・小円筋・棘下筋 など)が、前方の組織(関節包 前部,肩甲下筋)に比べて硬い場合,関節窩で上腕骨頭が正確に軸回旋できなくなります。
このため、「上腕骨頭前方すべり」が生じます。
上腕骨頭の前方滑りが痛みの原因になっている場合は、
この異常なパターンを修正することで症状が軽減します。
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画像はHK Labo HPより引用
まとめ
今回は、「関節内の相対的柔軟性」についてご紹介しました。
多くの関節で繋がっている身体では「相対的柔軟性」が重要になります。
関節内の副運動は小さいですが、関節が適切に動くために重要な動きです。
関節内の副運動を適切に修正することで、副運動の問題で生じた症状を軽減することにつながります。
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