【正常を知る】肩を屈曲する時に肩甲骨はどう動いているのか?
このnoteは、MSI(Movement System Impairment)について解説することを目的としています。
MSIについては、こちらをご覧ください。
MSIでは、身体の動きがきっかけで生じた痛みの原因を解明し、改善するプロセスを学ぶことができます。
はじめに
今回のテーマは、”肩を屈曲する時に肩甲骨はどう動いているのか?”です。
MSI上肢編の資料で多く引用されるPaula Ludewing先生の文献などを参考にしながら、肩を屈曲する時に肩甲骨はどう動いているのかを紹介していきます。
肩甲骨の動きは、胸鎖関節と肩鎖関節の動きの総和になっています。
肩甲骨の動きだけでなく、鎖骨がどのように動いているかを把握することも大切です。
今回のnoteでは、以下の3点がわかる内容になっています。
正常を知ることの重要性
肩屈曲時の肩甲骨の動き
肩屈曲時の鎖骨の動き
是非、最後までお読みください。
正常を知ることはなぜ重要なのか?
そもそもなぜ正常を知ることが重要なのでしょうか?
正常な動きを知ることは、異常な動きを見つけるために重要になります。
採血結果には、正常値が設定されています。
その数値から外れた値を知ることで、何らかの異常を知ることができます。
身体の動きも同様です。
正常な動きから外れたものを知ることで、動きのエラーが起きていることを知ることができます。
もちろん、個人の身体的特性によって正常には幅があります。
採血では、正常値に幅があります。
身体の動きもただ一つの正解があるわけではありません。
個人の骨格条件や活動量などに応じて幅があります。
正常を元にしますが、個人の条件に合わせて正常に当てはめすぎない柔軟性が求められます。
肩関節屈曲時の肩甲骨の動き
肩関節屈曲時、いわゆる正常な肩関節の屈曲時には下記のように肩甲骨が動きます。
・肩甲骨は上方回旋55〜60°
• 最終域にて肩甲骨10°後傾、10〜20°外旋
• 肩甲骨の内側縁は胸郭に接触したまま
• 挙上はわずか(6~10°)
• 正常な肩甲上腕:肩甲胸郭リズム(外転は2.1:1、屈曲は2.4:1)
• 肩甲骨は125°までは内旋し、それ以後は外旋する
特に、肩甲骨の上方回旋不足は多くの方に見られるエラーです。
肩甲骨内側縁を基準に60°の上方回旋が生じているかを見ることは、重要なチェックポイントです。
肩関節屈曲時の鎖骨の動き
肩甲骨の動きには、胸鎖関節における動きも重要です。
肩鎖関節と胸鎖関節の動きの総和が肩甲骨の動きとなるからです。
・鎖骨はわずかに挙上し、後退(後方回旋)が増加
肩甲骨上方回旋不足に伴い、鎖骨の挙上が見られな症例も多いです。
肩甲骨の上方回旋には、鎖骨の挙上が不可欠です。
まとめ
今回は、”肩を屈曲する時に肩甲骨はどう動いているのか”について紹介しました。
正常な動きを知ることは、異常な動きを知るために重要です。
肩関節屈曲時の肩甲骨と鎖骨の正常な動きを知り、正常からのズレを見つけることで異常な動きを知ることができます。
肩甲骨を見る時は後方から見ることが多いです。
鎖骨の動きを見逃さないことも重要なポイントです。
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