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17.【小さなエラーを見逃さない】大腿骨の症候群
このブログは、MSI(Movement System Impairment)について解説することを目的としています。
MSIについては、こちらをご覧ください。
MSIでは、身体の動きがきっかけで生じた痛みの原因を解明し、改善するプロセスを学ぶことができます。
はじめに
股関節におけるMSIの症候群は、2種類に別れます。
一つ目が”大腿骨の症候群”、二つ目が”股関節の症候群”です。
今回は、”大腿骨の症候群”について紹介します。
なぜ股関節は症候群は2種類あるのか?、その中にどのような分類が含まれるのか?解説していきます。
このnoteを読むことで、大腿骨の微小な動きのエラーに注目することの大切さが理解できます。
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股関節におけるMSI症候群
先ほども触れた通り、股関節におけるMSIの症候群は、”大腿骨の症候群”と”股関節の症候群”が含まれます。
この2種類にはどのような違いがあるのでしょうか?
それは関節副運動のエラーが含まれているか否かによって決まります。
関節副運動のエラーがある場合→大腿骨の症候群
関節副運動のエラーがない場合→股関節の症候群
となります。
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画像は”ユウスケ | 筋トレ怪我ケガゼロプロジェクト”のXポストから引用
関節副運動のエラーとは?
関節副運動のエラーには様々な定義があると思います。
MSIでは関節副運動のエラーを、”関節が適切な軸運動ができず過剰な滑りが生じていること”としています。
関節副運動については、こちらの記事でもご紹介しています。
少し復習していきます。
関節が動く際、関節内の副運動として滑りと転がりの運動が生じます。
本来は滑りと転がりが狭小して生じて、関節内での大きな滑りが生じずに軸回転に近い動きが生じます。
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画像ははりプラザより引用
しかし、身体は最少抵抗の軌道を通り動くため、特定方向への過剰可動性が生じた結果、関節副運動は特定方向に滑りやすくなってしまいます。
最小抵抗の軌道と特定方向への過剰可動性についてはこちらの記事を参照してください。
大腿骨の症候群
大腿骨の症候群を紹介していきます。
大腿骨の症候群には、以下の6種類が含まれます。
内旋を伴う前方滑り症候群
外旋を伴う前方滑り症候群
内旋を伴う後方すべり症候群
多方向性副運動過剰可動性症候群
内旋症候群
上方すべりを伴う過小可動性症候群
一つずつ、簡単に解説していきます。
内旋を伴う前方滑り症候群
股関節屈曲時の鼠蹊部痛が主な症状です。
股関節前方組織が過剰に伸長された結果、前方組織の過剰な柔軟性が生じます。
その結果、前方滑りが生じるようになります。
内旋を伴って症状が出る場合は、内旋を伴う前方滑り症候群となります。
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外旋を伴う前方滑り症候群
内旋を伴う部分以外は上記の内旋を伴う前方滑りと同様です。
外旋を伴って症状が出る場合は、外旋を伴う前方滑り症候群となります。
![](https://assets.st-note.com/img/1725279131684-ClRVmIJ1CS.png?width=1200)
内旋を伴う後方滑り症候群
股関節屈曲の際に大腿骨の内旋と大腿骨頭後方滑りを伴うことで症状がでます。
座位やスポーツで深部股関節痛が生じやすいです。
股関節後方組織の過剰な柔軟性が生じた結果後方滑りが生じます。
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多方向性副運動過剰可動症候群
複数の方向(前方、後方、外側)に大腿骨頭の副運動が増加します。
股関節の深層外旋筋を中心とした股関節安定化の役割を果たす筋群が弱い状態です。
内旋症候群
鼠蹊部痛や股関節前方・外側の疼痛が生じます。
大腿筋膜張筋と大殿筋の短縮・硬化が大腿骨頭を内旋させます。(立位は大腿筋膜張筋、座位は大臀筋が内旋作用となる)
筋肉が発達したアスリートなどに多いです。
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上方滑りを伴う大腿骨過小可動性症候群
副運動および生理学的運動が複数の方向において制限されています。
変形性股関節症と最も関連しています。
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まとめ
今回は、大腿骨の症候群についてまとめました。
大腿骨の症候群は、小さな副運動のエラーを見逃さないことがポイントになります。
この辺りは、知識として知っているだけでは難しいため、是非実技で体験してもらいたいポイントです。
MSIに興味を持った方へ
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MSIの真髄は実技です。
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