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【首の負担を減らすために】前方頭位とその修正ポイントについて

このnoteは、MSI(Movement System Impairment)について解説することを目的としています。

MSIについては、こちらをご覧ください。

MSIでは、身体の動きがきっかけで生じた痛みの原因を解明し、改善するプロセスを学ぶことができます。

はじめに

今回のテーマは、”前方頭位とその修正ポイントについて”です。

首〜肩にかけての痛みは、肩こりとしてまとめられることが多いです。

肩こりは、厚生労働省による国民生活基礎調査(2015年)における有訴者率で、
男性2位、女性1位を占める症状
です。

首〜肩にかけての痛みや肩こりに大きく関連しているのが、前方頭位の姿勢です。

前方頭位の姿勢

前回のnoteで、頚椎の症候群について紹介しました。
その中でも、前方頭位については少し触れました。

今回は、前方頭位についてさらに深掘りしていきます。

今回のnoteでは、以下の3点がわかる内容になっています。

  • 前方頭位とは?

  • 前方頭位修正のポイント

  • 効果的なエクササイズ

是非、最後までお読みください。

前方頭位とは?

前方頭位は、読んで字の如く頭部が肩より前に出ている状態を意味します。

解剖学的な定義としては、耳垂から引いた垂直線が肩峰よりも前方にある状態と定義することが多いです。

前回もご紹介しましたが、頚椎は大きく3つの役割を持っています。

  • 頭を支える

  • 頭を動かす

  • 脊髄を保護する

前方頭位はこれら3つの役割を困難にしてしまいます。

  • 頭を支える:頚椎に対して頭部が前方に位置するため頚椎伸展筋群に要求されるモーメントが大きくなります

  • 頭を動かす:上部頚椎は伸展位、下部頚椎は屈曲位になり頚椎の圧縮ストレスも増加するため頚椎の可動域は軽減します

  • 脊髄を保護する:頚椎のアライメント変化は脊髄・神経根の圧迫につながります

このように前方頭位は、頚椎にとって影響の大きい不良姿勢だということができます。

前方頭位

画像は筋骨格系のキネシオロジーから引用

https://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=265810

前方頭位の修正ポイント

前方頭位の修正は、当然頭部の位置を後方に修正することです。

しかし、前方頭位は脊柱アライメント全体の問題を有していることが多いです。

そのため、頭部と頚椎のアライメント修正だけでは上手くいかないことがあります。

代表的な姿勢のエラーとしては、スウェイバックと胸椎後弯を伴う前方頭位のケースです。

Swayback姿勢を伴う前方頭位

画像はケンダル 筋:機能とテスト -姿勢と痛み-から引用

https://www.nishimurashoten.shop/?pid=181956758

この場合は、骨盤位置の修正と胸椎後弯の修正を同時に行うことで前方頭位の修正も容易になります

また、ADLで長時間行っている活動における姿勢を修正するという視点も大切です。

デスクワークを長時間行っている方に、立位姿勢の指導を中心に行うことは効率的ではありません。

どのような環境でデスクワークを行っているかを聴取し、その方の環境に合わせて実現可能な姿勢の修正をアドバイスすることが重要です。

座位姿勢であれば、

  • モニターの位置、高さ、タイプ

  • 椅子の高さ、背もたれのタイプ、肘掛けの有無

  • キーボードやマウスの種類

などを聴取し、姿勢修正に有効な環境設定を検討する必要があります。

日常生活の行い方の重要性については、こちらの記事で紹介しています。

効果的なエクササイズ

前方頭位の姿勢では、頚椎深層屈筋群が弱化し胸鎖乳突筋や斜角筋といった比較的大きな筋群が過剰に活動してしまいます。

そのため、頚椎の単関節屈筋群を活性化する必要があります。

そのための有効なエクササイズとして、”チンインエクササイズ”があります。

チンインエクササイズは、アゴを引く運動になります。

口頭支持としては、二重顎を作る意識でアゴを引いてくださいとお伝えするとイメージしやすくなります。

背臥位→座位→立位と段階的にエクササイズをステップアップすることが可能です。

チンインエクササイズ

まとめ

今回は、”前方頭位とその修正ポイントについて”ご紹介しました。

前方頭位は、頚椎の3つの役割に対して影響の大きい不良姿勢です。

前方頭位の修正は、頚部の痛みを改善する重要なポイントになります。

徒手療法でその場では痛みが取れたけど、また戻ってしまうケースなどないでしょうか?

その場合は、姿勢の修正という視点を持つと頚椎へのストレスを軽減し根本的な問題解決につながる可能性があります。


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