溢れる情報の片隅で。
ある朝の混沌。
昼までの陽炎。
夜になったら蜃気楼。
全ては繋がっていて、ただただそれは希薄。
手元からこぼれ落ちる何か
掬い上げられる何か
床に這いつくばる六つ足の異形。
陽の光は思っていたより強くなく、目を焼くほどではなかったけれど、果たしてそれが本当に陽の光なのか確かめる術は誰にもない。
どこにいても月はそこにあるけれど、雲に隠れていたらそんなことは判らない。
睡眠
覚醒
微睡
暁光
リズムを取って足を鳴らして
空気が重くとも顔を上げて
何かと重なる瞬間を
期待も落胆もなく俯瞰的に見る
例えば自分の中には煌めく何かがなくなっても
きっと世界にはまだ何かがある
少なくとも彼の小さい世界には。