連携して危機に立ち向かう

地球市民の会のミャンマー事業スタッフが書くミャンマーにまつわるエッセイ。第52回は鈴木が執筆しました。


寄付集めで連携

現在、SOSIAさんが「ミャンマー子ども緊急募金2023」を集めています。SOSIAさんが長年支援を続けてきたミャンマーの孤児院で結核が発生。施設も老朽化して子ども達の生活スペースがほとんどなく、風呂場で雑魚寝状態とのこと。今回のクラファンでは、治療費と改築費を集めています。

この件について、地球市民のFacebookページにも掲載しました。地球市民の会の投稿を見て、何人かの方からSOSIAさんへご寄付をいただいたようで、お礼の言葉をいただきました。

今までなら、同じ国を支援している団体は「競合」というイメージで、寄付者の取り合いになってしまうのが懸念されていました。職員が個人的に他団体を応援することはあっても、団体の公式アカウントで他団体の寄付募集を掲載するというのは、ほとんどなかったのではないかと思います。しかし、今、ミャンマー支援に関わっている団体の間では、連携や役割分担が進んできています。

例えば、ヤンゴンかるた。高校生の野中さんを中心に、かるたを使ってミャンマーのことを伝える活動をされています。かるたの売り上げの一部は、ミャンマー支援をしている団体へ寄付されます。以前、地球市民の会へもご寄付をいただきました。2023年3月分は、SOSIAさんに寄付されるそうです。

日本の方々にミャンマーについて伝えるのは「ヤンゴンかるた」が担い、ミャンマーの現地で支援活動を行うのは「地球市民の会」や「SOSIA」が行うという役割分担です。


現場で連携

寄付集め以外にも、ミャンマーの現場での連携も進んでいます。例えば、JNN(Japan NGO Network)。ミャンマーで活動する日本のNGOのネットワークで、メーリングリストで情報交換を行ったり、月2回ほど大使館も交えての情報交換ミーティングも実施しています。今のミャンマーでは、NGO登録や銀行送金、スタッフの安全性の確保、日本人スタッフのビザ取得などの課題がたくさんありますので、情報交換できるのは貴重な機会です。

また、事業の実施でも連携しています。ある団体が資金を獲得してくるファウンダーの役割を担い、地球市民の会は現地で実施する役割を担っています。事業を申請するところから一緒にやっているため、申請書の書き方のコツなどを他団体から教わっています。各団体の得意な分野を教えあい、短所は補いあい、ミャンマーのために一丸となって動くことができています。


ミャンマー以外とも連携

他にも、トルコ・シリア地震のために活動しているピースセルプロジェクトさん。一部の支援者さんより「地球市民の会はトルコ地震の支援をしないのか」とお問合せをいただきました。当会が直接支援をすることは難しいのですが、志を同じくして信頼できる団体であるピースセルプロジェクトさんの紹介をさせていただきました。

他にも、NPO経営者の集まるオンラインサロンに参加したり、ファンドレイザーが集まるイベントに参加するなど、多くの人とつながり、学びあうことに時間を割いています。佐賀にある地球市民の会の本部では、行政やNPO、企業などが連携してウクライナ避難民の受け入れ支援を行っています。たくさんの社会課題がある今、自分たちで全てをやろうとするのではなく、連携していくことが本当に大切だと感じます。

そして、ソーシャルセクターで活動している方々は、ポジティブな方が多い気がします!話していると、元気や勇気が湧いてきます。大変な状況に心が折れそうなときもありますが、仲間がいるから頑張ることができています。

最後に、地球市民の会の柴田のFacebook記事の引用を掲載します。

国際協力のNGOで働き始めて20余年。最近とても実感するのは、連繫の大切さです。

自団体だけではできないことでも、他の団体(団体に限らず個人の方や学術機関も!)と一緒にやらせてもらうことで活動が広がるし、できることが増える。たくさんの学びがあり、力をいただける。

解決したいという問題が山積みなのは悲しいし辛いことだけど(当事者の方が一番その思いは強いとは思いますが)、できるところが連繫することで問題が減っていくといいなぁと心から思います。

※この記事は、執筆者の個人的意見です。地球市民の会を代表する意見ではありません。

※この記事は、ミャンマーの状況を解説したものであり、政治的な意図は一切含みません。


■4月イベントのお知らせ

これまで毎月続けてきたオンラインツアーですが、4月はお休みします。そのかわり、東京と名古屋で対面イベントを実施します!

4月16日(日)10:00~12:00、東京(鈴木担当)
4月21日(金)時間調整中、中部地方(柴田担当)

詳細は決まり次第お知らせします。鈴木は、4年ぶりの一時帰国となります(まるでチン州出身の生徒たちのよう!)。皆さまとお会いできることを、楽しみにしています。


■鈴木のバースデーメルマガ配信中

3月23日は地球市民の会ミャンマー駐在員、鈴木亜香里の誕生日です。誕生日記念に、寄付に関するメルマガを書いています。誕生日祝いの投げ銭寄付を受付中です。


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