2022カタールW杯試合分析 大会2日目

グループB イングランドvsイラン


イングランド前半フォーメーション


イラン前半フォーメーション


イランは5-4-1のブロックをつくって1FWに当ててタメを作って押し上げる。そこで得たセットプレーで得点機会を見出す印象。

イングランドはライス中心にビルドアップの出口をつくり、ベリンガムやマウントがライン間で受けてゲームを支配する。

イングランドの最終ラインは右肩上がりの少し3枚ぎみでのビルドアップ。その時のサカの立ち位置がこの試合を決定づけた。

前半に何度かそのような形でハーフスペースに立つサカ。大外レーンの高い位置でボール受けるトリッピアー。そこからサカが斜めのランニングでポケットに侵入するというシーンが何度かあり、イランの左WBは釣りだされるしかない状況。

イングランド1点目のシーンはその布石があり、サカが大外レーンに立つことで、相手5バックが広がり、空いたギャップにCBから教科書のような3人目攻撃でサイドに展開。クロスをヘディングで合わせる形となった。

イングランドのワイドの選手の立ち位置によりボールの出口を変え続けたイングランドのビルドアップにあっぱれ。


また、後半も終始ペースはイングランドペースで進み、今大会から可能となった交代枠5人が試合のギアをあげた。

フォーデンやグリーリッシュの投入により、前半とはまるで別物のチームに変貌。試合をスローダウンさせ、効果的な攻撃のスイッチをいれる役割を果たした。

イランは相手をリスペクトしすぎたのか、負けているにも関わらず、前にでていく姿勢が見られず、少し残念であった。

どこで?いつ?というプレスのタイミングがはっきりしなかった印象でした。

MVPはイングランドのライス。BUに関わり続け、攻撃のタクトをふるった。

グループA セネガルvsオランダ


セネガル前半フォーメーション


オランダ前半フォーメーション

前半はセネガルの4-3-3ビルドアップに対して、オランダの5-3-2のブロックという攻防の構図になった。

セネガルは2CB+1アンカーで3トップと2インテリオールで相手の5バックをピン留め。2-3-5のイメージ。
中盤の物凄いスペースが生み出されており、そこを使いたいのかな?

逆にオランダは2FWが2CBについたので、アンカーのコースががら空き。ただ、中盤のセンター(フレンキーデヨング)が相手のアンカーにつくイメーで前を向かせず、セネガルの使いたいスペースも人にマークをつくことで使わせていなかった。

セネガルはもう少し”個”を生かし、前線に競らせるようなボールを入れてもよかったのかも。ただそうするとセカンドボールを拾う選手がいないため、そこもデザインする必要がある。トランジションのデザイン。

後半になると、オランダが一つ飛ばしのパス(縦・横)を使って、セネガルのスライドをかいくぐった。

そしてオランダの先制点は、ブロックをひく相手に対して”個”で打開した。
この”個”は上述したセネガルの”個”(身体能力)ではなく、”技術”である。

この試合のMVPは長短のパスを駆使しゲームメイクしたフレンキーデヨングだ。

前半はセネガルペースのゲームだったものの、身体能力ではなく、技術の”個”の差を見せつけられた形となった。


グループB アメリカvsウェールズ



アメリカ前半フォーメーション


ウェールズ前半フォーメーション

ウェールズ3-5-2のビルドアップに対して、アメリカは4-3-3でプレスをかける。

アメリカ3FWが相手3CBにプレスに行き、センターFWがカバーシャドウで相手の1アンカーのパスコースを封鎖。

必然的に外循環になるようにデザインし、ウェールズWBにはアメリカSBが前向きにアタック。インターセプトのシーンが多く、そこから保持局面に入った。

アメリカのビルドアップはオーソドックスな4-3-3。ウェールズ5-3-2ブロックに対して、SBからラインブレイクを試みる。相手の3-2の脇の部分からの侵入を試みるが、そこはWBがケア。

非常に締まった試合内容となる。

結果は1-1のドロー。

中堅国ながら非常に見ごたえのある試合だった。

MVPはベイル。母国の64年ぶり出場にしっかりと得点することは、母国の2戦目への勇気となる。


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