えびちゃん先生の英語沼⑤可算名詞と不可算名詞の捉え方
You raise me up, so I can stand on mountains
You raise me up, to walk stormy seas
- You Raise Me Up by Celtic Woman
最近ずっと聞いている、ケルティック・ウーマンのYou Raise Me Upです。歌詞の中に、seas、という表現が出てきますが、seaって複数形なの面白くないですか?今日はそんな話です。
単数形と複数形、日本語には存在しない概念
日本語には存在しない、【複数形】、生徒たちが[二つ以上の物]に忘れずに-sをつけられるようになるには長い時間を要します。
そして忘れずに-sをつけられるようになると今度は、【不可算名詞】というわけの分からんものが出てきます。
散々「-sを忘れない!」と添削されてきたのに、【-sをつけられないものがある】という衝撃の事実…。
実は【可算】か【不可算】かということは、《英語を主たる言語として使用している》native speakersでさえも、感覚をつかむまでは「これは可算」「これは不可算」と一つずつ覚えることもあるそうです。
しかし、native speakersは、たくさんの用例に触れながら可算と不可算の感覚をつかみ、いつの間にか的確に使い分けられるようになるのです。
英語を母国語としない私たちは、自分で意識してたくさんの英文を読んだり、映画を見たり、native speakersと会話をするなどしない限りは、たくさんの用例には触れられません。
でも、それって結構ハードルが高いですよね?英語を母語としない人にとっては、「なぜそれが不可算名詞なのか」、ということを理解することで記憶により残りやすくなると思うのです。ですから今日は私なりの解説をしてみたいと思います。
可算名詞の特徴
可算、とは文字通り「数えられる」という意味です。学校でもそう教わりますよね。でも、お金「money」は、数えられるのに不可算名詞… 数えられる、って何だよ!と思いませんでしたか?(私は思いました。)
ですから、「数えられる」の定義づけから考えていきましょう。
可算名詞とは
①常識的形状をしていること
簡単に言えば、その言葉を聞いたときに、多くの人が大体同じようなものを思い浮かべられるかどうか、ということです。
pen、といえば 大体15~20センチくらいの細長い形状で、ペン先とペン軸があって、蓋もあるかもしれませんね。
book、といえば 表紙があって、ある程度の枚数の紙が綴じられていて、なんか書かれているやつですよね。
これが、常識的形状、ということです。
②限界があること
これは、その物に「ここからここまでがひとつのもの」という「限界」があるということです。
具体的には、
penの蓋だけでpenと呼びますか?ペン軸だけでpenになりますか?ならないですよね。それが、「ここからここまでがひとつのもの」という考え方です。
可算名詞の複数形-s(-es)の意味
pensは、常識的形状と限界を有するものが、2度以上発生している、という感覚でpenにsが付けられています。その他のものも同じです。限界が繰り返されること、これ大事な考え方なので覚えておいてください。
不可算名詞の特徴
一方、不可算名詞には可算名詞に認められる①と②の特徴がありません。
例えば、water(水)ですが… 今どの位の量を思い浮かべましたか??
コップ一杯?
ペットボトル一本?
しずくが一滴?
恐らくみなさんそれぞれだったと思います。そうやって、みんなが思い浮かべるイメージに差が出る=常識的形状がない、と言います。
money(お金)も、人によって思い浮かべる量が違うから、不可算名詞なんですよ。お金そのものは○○円と数えられるのにね!
また、常識的形状を有さないがために、限界もありません。
例えば、bread(パン)。食パン一斤からちぎったひとつかみもまたパンですよね。「ここからここまでがひとつのもの」という概念が当てはまらない=限界がない、と考えてください。
じゃあ、冒頭の歌詞に戻ります。
複数形のseasとは
You raise me up, so I can stand on mountains
You raise me up, to walk stormy seas
- You Raise Me Up by Celtic Woman
本来、sea(海)は、地球に広がる海全てを意味します。海ってつながってますよね。カリフォルニアのサンタモニカから見ている海は、犬吠埼から見ている海と同じ。だから普段、冠詞はtheを用いて、the seaと言います。言わずもがな、みんな同じ海だから。
じゃあなんでseasなのか。
先ほど述べたように、「限界が繰り返されること」を示すのが名詞の最後に付ける-s(-es)の意味です。そこから発展して考えます。
日本語でも一つの海で大小なんかないのに、広さを強調するために「大海」と言ったりするように、seaもその広さを強調するためにseasと言うこともある、これが今回の結論です。
たまに見かける、skies, watersなんかも同様の用法と考えていいのではないかと思います。
まとめ
○可算名詞の条件は、常識的形状と限界を有すること。
○複数形の-s(-es)は、限界を繰り返しているということを表す。
○不可算名詞に-s(-es)を付けているときは、「限界を繰り返している」という考え方のもと、その広さを強調している場合が多い。
いかがだったでしょうか。可算・不可算という日本語の意味に引っ張られると、moneyはなんで不可算なのよ!となると思いますが、可算と不可算を分けているのは、「みんなが同じものを思い浮かべるかどうか」というところにあるのです。ここを押さえると多少判断しやすくなるのではないでしょうか。
ちなみに、「犬が好き」と言おうとしてI like dog.というと、変な顔をされますよ。だって、犬には常識的形状も限界もありますよね?(思い浮かべる犬種に違いはあるけど、犬って言われたらとりあえず一匹でしょ?思い浮かべるのは。)世の中にdogは無数にいるのに、無冠詞単数形で示すと、breadと同様、犬一匹でも犬だし、毛一本でも犬だし、足一本でも…
だから犬が好き、と言いたいときは忘れずにI like dogs.って言いましょうね!
今日もお読みいただいてありがとうございました。面白いな、って思ったら、スキも残していってくださいね!元気がでます!
※えびちゃん先生の解説は、これまで学んでノートに書きためてきたことを元にしています。どこでどう学んだかはちょっと覚えてないから出典とかないんだけど… 出典までメモしている場合は出典元も明記します。今回の様に出典元がないものは、学術的裏付けとかは正直度外視で書いているので、なんて言うか自己責任で学習にご利用ください。(つまりどこかで誰かに話したりすると、「は?それ違うけど?」と言われたりするかもってことです・笑)
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