食べものが生まれる現場

わたしは今、農業と鹿肉業(?)に携わり、自分では店舗を持たない古書店を営んでいる。

農業では、
収穫
→選別
→調整
→出荷

鹿肉業も似ていて、
狩る
→捌く
→調整?
→出荷

となる。
農業では選別や出荷の時点で計量が入り、
鹿肉業では出荷の前に計量を行う。
わたしはこの、計量の作業なのか、出荷前の作業なのかがたぶんすきで、売られるものになっていく過程に興味があるのだと思う。
パン屋の一日のYouTubeとか見ているとすごくたのしい。
大きなパン生地のかたまりを、美しい動作で切り分け、計量され、成形されていく。
食べ物の現場は、単調な作業が続くこともある。
大きな会社になると機械が導入される場合もあるだろう。

機械化されないくらいの、手仕事の残る食べ物の現場に、とりわけ興味がある。
たぶんこれから、鹿肉業が、彼との「家」業になるのではないかと思う。
その中で、何にお金をかけ、どこにてまひまをかけ、何にどのくらいの価値をつけていくのか、そういうことを考える機会が何度も何度も訪れるのだと思う。
そのこと自体も調整しながら、同じことを繰り返したり、少しずつ変えたり、カスタマイズしながら生業を作っていくんだろうか。

正直なところ、開業以来ずっと古本業に本腰をいれられてなくて、今年の冬は少し、その時間がとれるかなと思っている。古本も上記の仕事と、単調作業が続くのは同じ。
買取した本を、クリーニングして、簡単な選別をして、商品として本棚に並べていく。何度も何度も。でも並べれば並べるだけ、きっと商品は出ていく。誰かのもとへ、届いていく。

生産(仕入れ)して、売り物にする。
それを今、体験しながら、体感しながら、学んでいる。
商売人の家に生まれたわけでもなく、商売を勉強したわけでもないけど、小中規模のお商売が面白いと思うこの頃。

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