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どっちのママになりたい?試験直前に遊んでいる娘に「何やってるの?勉強しなさい!」VS「あなたを誇りに思う」
昨日ちょっとした息子の学校関連のイベントがあって、とあるママ友と話し込んだのですが、彼女の話にちょっと涙ぐんでしまったのでシェア。
「どんなママになりたいかな」
「私はいま、子どもにとってどんなママかな」
って改めて考えてしまいました。
あなたにとっても考えるきっかけになったら、とてもうれしいです。
今回のお話は、海外教育に関係なく、子育て中のママに幅広く関係する話かと思います。
「今日も子どもを怒ってしまった……」
「子どもの寝顔を見ながら、いつも反省する……」
というママ(私もそうでした)、
でも大丈夫ですよ、って伝えたくて書きます。
お嬢さまママ、Sさんの話
昨日のとあるイベントに私を誘ってくれたのは、南アジアにルーツのあるとあるカナダ人ママ。仮にSさんとします。
Sさんはカナダ東部育ちで、外見はまーったく気取っていない至って普通のフレンドリーなママなのですが、ゆっくり話してみると、お嬢さまがそのまま奥さまになったような方。
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彼女は学校の保護者の活動の中でもわりと中心的人物。学校コミュニティに属して間もない頃の私に、いろいろ案内してくれたり、いろいろな人を紹介してくれたりととても親切で、私がとても感謝しているママ友の一人です。
(おまけに声が可愛くて、英語もわかりやすく話してくれるので、ずっと話していたくなる🌸)
Sさんには複数のお子さんがいらっしゃいますが、長女のAちゃんは大学生。名門として名高い某大学に通う3年生です。
そんなAちゃんの周辺で、先日こんなことがあったそうです。
名門大学の女子学生が急性アルコール中毒で緊急搬送
Sさんの娘ちゃんのAちゃんは、カナダの中でも名門で知られる某大学で、理系のダブルメジャー(専攻を同時に2つ取ること)の女の子。かなりの優秀さんです。親元を離れて寮生活をしています。
忙しい大学生活ではありますが、勉強の合間に飲み会(パーティ)などの機会もそれなりにある様子。Aちゃんはお酒は飲まないそうなのですが、たまにはパーティにも参加するようです。
そこで、仲良しのお友達の1人が飲み過ぎてしまい、急性アルコール中毒になってしまうという事件が。気を失って倒れ、救急車で運ばれた…という現場に立ち会ってしまいました。
幸い、そのお友達は入院先の病院で意識を回復したそうなのですが、仲の良いお友達が意識を失って倒れるさまを目撃したその晩は
『彼女がこのまま目を覚まさなかったどうしよう……』
という恐怖で気が気でなく、相当に参ってしまったようです。
一緒に参加していた別の仲良しの友だちと一緒に、とても気持ちが落ち込み、ふさぎ込んでしまいました。
そして、そのパーティの事件の翌日。
大切な試験が近かったそうなのですが、Aちゃんは同じ場に居合わせて同じショックを受けてしまった友だちを呼んで、一緒にクッキーを焼き、温かい飲み物を用意し、手作りのクッキーを食べながら心穏やかになれる映画を観て、寮の部屋でのんびりした1日を過ごして、自分を甘やかしたそうです。
事件の翌日に起こった、もう一つの事件
Aちゃんと、ママであるSさんは関係が良好で頻繁に連絡を取り合っている母娘です。今回の事件の顛末についても、Sさんも事の経緯をほぼリアルタイムで把握して知っていました。
事件の翌日、お友達を呼んで寮の部屋で過ごしているとき、AちゃんとママのSさんは電話をスピーカーにして話をしていました。Aちゃんがその日クッキーを焼いて映画を観ていることに対して、Sさんはこう言ったそうです。
あなたたちは素晴らしい。とても成熟している。
と。
Sさんが「成熟している」といった理由とは
周囲の人をHappyするためには、まず自分を大切にしなければいけない、というのがSさんの持論のひとつ。
大人というものは、自分が調子よくいられる方法を知っているべきだ、という考えの持ち主です。
そんなSさんは、Aちゃんが「ショックなことがあった日の次の日に、きちんと自分を整える方法を知っていて、それを実行していること」に対して、惜しみない賞賛を送りました。
あなたたちを誇りに思う(I'm so proud of you)
と。
でも、それが耳に入ってきたAちゃんのお友達は、泣き出してしまいました。
Aちゃんのお友達の涙の理由
AちゃんとSさんはスピーカーで話していたので会話の内容がその場にいたお友達にも聞こえたのですが、そのお友達が泣いてしまったのです。
なぜ??と思ってAちゃんが聞くと、そのお友達はこう答えました。
私も、ママに聞かれたから、今日「友達とクッキーを作って映画をみている」と伝えたの。
そうしたら、「試験が近いのになにやってるの!?勉強はどうしたの?」ってひどく怒られたの……
お友達は、Aちゃんのママとまるで正反対のことを言われて責められて、その事を思うととても悲しくなったのだそうです。
スピーカーで話しているので、その様子はSさんにも聞こえました。
そこでSさんはこう言ったそうです。
そういうことって、あるわ。
あなたのママは、どんなことがあったのかをちょっとわかっていなかっただけよ。そういうことって、あるのよ。
(お友達)ちゃん、私はあなたのこともとても誇りに思う。
あなたは、私の娘の判断をサポートしてくれて、一緒に過ごしてくれた。
あなたがいなければ娘は今日のこの日を過ごせなかった。
どうもありがとう。あなたたちは正しい判断をした。誇りに思うわ。
どっちのママになりたいかな
その話を聞いて、私は少し涙ぐんでしまいました。
話に出てくる全部の人に共感できるのです。
娘の試験を心配して厳しいことを言ってしまった、そのお友達のママにも。
娘が大変な思いをしたとき、「あなたを誇りに思う」と励ますママと、「なにやってるのよ、勉強しなさいよ」と怒るママ。
どっちのママになりたいか、といったら前者に決まっています。
でも……できているかなぁ。
「勉強しなさいよ」の方を言って怒っているママになっていないかなあ。
娘の「大変なとき」に寄り添えているかなあ。
と、自分を振り返ってしまいました。
* * *
と、この話はここでおしまい。
子どもが寛大なうちに軌道修正を
子どもは、ママ本人が思った以上に怒っているママの姿を覚えているものだと思います。そして、怒られている原因は覚えていないものです。「怒られた」という事実の記憶しか残りません。
ただし、小さい子どもは、その記憶が意外に長続きしない、と経験上思います。子どもはその記憶を、いい思い出で上書きして、忘れてくれるのです。子どもって寛大です。
ただし、あまりにも長い期間、それが頻繁に繰り返されて、上書きするような優しい記憶が得られないのならば、怒っているママの方を覚えてしまうのだと思います。でもありがたいことに、その猶予期間は(個人差はあると思いますが)けっこう長いです。
もし、ひとつのことに怒ってしまったら、ふたつ楽しい思い出や優し記憶で上書きして、その子どもの寛大さの範疇に収まっている間に、もし「自分のなりたいママの姿」から外れているのであれば軌道修正して、「ありたい自分」の姿に近づきたいな、と思うのです。
子どもの事情を聴く耳を持つママでありたいし、「何かあっても話せる親だ」と思っていてほしい。
いじめ・意地悪、失恋、お友達との誤解や不和、勉強不振、いじわるな先生や部活のいざこざ…
どこの国で教育を受けていても、子どもにとってつらいことって起こります。
大人から見たら大したことがなくても、今日まで数年や10数年生きてきた子ども本人にとっては、それまでの人生で初めての重大なピンチかもしれません。
子どもにとって人生のピンチの時には、いちばん身近な、いちばんその子のことをよく知る大人として、できる手助けをしてあげたい。
やっぱりそう思うのです。
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そもそも今回のAちゃんの話も、Sさんが「ママ的ちょっといい話の武勇伝」として披露したのではなく、他のもっと「エグい話」のサイドストーリーとして出てきたエピソードです。
メインの話は、実は「カナダの10代の闇」についてでした。
ドラッグ、パーティ、鬱、自殺……そんな話です。
そちらのちょっとキツイ話の方は鍵付きで書きます。こちらのマガジンの方にいれますので、購読されている方はどうぞお待ちください。
このマガジンについて:
マガジン価格は現在6本入って1000円(2024年11月25日現在)で、今後記事が追加されるとマガジン価格も上がりますが、記事数が少ないうちに低価格で購入いただいても以後追加されるすべての記事がそのまま読めます。1つのマガジンには約20本+の記事を入れる予定です。
キツイ話、ヤバい話、メディアに出てこない体験談、英語で読んだ・聞いた現地ニュース、タブーすぎて留学エージェントが語らない話、プライベートな話などは、無差別に読んでいただくというより本当に気になる方にだけ読んでいただきたいので、あまり広まらないように記事の価格を高めに設定し、このマガジンに入れていきます。
そういう話が気になる方・カナダ留学を考えている方など、話題として身近という方に読んでいただけたらな、と思っているプライベート要素の強いマガジンです。
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