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北米のZ世代スラング、「バイティング・ザ・カーブ」ってなに?
Z世代が使う新語や流行語は日本語でも荒唐無稽だったりアイデアにあふれていたりしてかなりおもしろいのですが、英語圏でもそういう言葉はたくさんあります。
今日はそんな言葉をご紹介。
カナダの現地校に通う中学生の息子から教わったのが「バイティング・ザ・カーブ」(Biting the curb)。
スポーツやゲーム実況のTikTokやYouTubeなどで出てくるかもしれないので、インターママや若者英語に興味のある方は知っておいてもいいかもしれません。
暴力的表現を示唆しますので、そうした表現が極度に苦手な方はこの先は読まないようにしてください。
まず、「Curb」の意味
まず、「Biting the curb」がどういう状況か、について説明します。
「Biting the curb」の「Curb」は「縁石」のことです。道路の車道と歩道を分けるためについている少し段差のある部分、あの「縁石」ですね。
(ちなみに、息子が「カーブあるでしょ、道のカーブね」と言ったとき、私は「曲がり道(Curve)」を想像したため微妙に会話がかみ合いませんでした…!)
「Biting」については、Biteは「噛む」という意味なので「噛んでいる状態」ですね。
つまり、「道路の縁石に頭を向けて道に腹ばいになって、歯で縁石を噛んでいる状態」を示します。
(暴力的ですみませんが)そして、その状態の人の頭の上を強く踏みつける行為を指しているのが、この「Biting the curb」の意味するところです。同義語として「Curb-stomping」(Stompの意味は、踏みつける/強く踏む)というものがあり、同じシーンを指します。
語源はアメリカの映画
この言葉の語源は、1998年の映画『アメリカン・ヒストリーX』。この映画では、人種差別的な暴力シーンの一部としてこの行為が描かれ、観客に強い衝撃を与えました。そのため、このフレーズは強烈な暴力(特に人種差別的な)を連想させる言葉として認識されるようになったようです。
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意味と用法
つまり、このフレーズは「危害を加える側は最小限の労力で、危害を受ける側は甚大な損傷を負う」という状況を示します。メッタメタのギッタギタにぶちのめす(少ない労力で)という意味になります。
意味としては、よくスポーツやゲーム(eスポーツ)、ディスカッションなどにおいて競争的な状況での圧倒的勝利や完全な支配を表します。
使い方はこんな感じ。
「He's biting the curb now, I won the argument with clear facts.」(相手はもう完全にやられた、明確な事実で議論に勝った)
「We totally curb-stomped that team in the last match.」(この間の試合で俺らはそのチームを完全に圧倒した)
Z世代の使い方
Z世代のちょっとアレンジした使い方として、例えばディスコードやスナップチャットなど(ともに北米で若者がよく使っているチャットアプリ/SNS)のグループチャットで
「(嫌いな人の名前), biting the curb」
などといったら、「誰かアイツのヤバい画像ここに貼れよ」のような意味でも使えます。「身が破滅するようなヤバい画像をここに貼って社会的に抹殺してやれよ」という意味合いですね。
文脈によって示唆する具体的な行動はいろいろ変わりますが、その名前の人をぶちのめせ、という意味のジョークとしても使われています。
若者言葉ってホント感心する
チャットで「縁石を噛む」と言われて「ヤバい画像を貼る」こととか、想像つきませんよね。日常会話がいちばん難しいです(特に若者の)!
日本語でもそうですけれどもね。
こういうのが流行っては廃れ、記憶に残り、というのを年月とともに積み重なっていくわけですから「ネイティブ並みに話す」っていうのを目指すとなると「どこまでネイティブ並みになりたいのか?」という設定によっては「キリがない」ですよね。
というわけで、今日は「バイティング・ザ・カーブ」のご紹介でした。
TikTokやSNSで出てきたら「ああ、あれね」と思い出してくださいね。
おまけ
息子にこの言葉を教えてもらったとき、「バイティング・カーブ?」と聞き返したら、
「Biting THE curbね。THEが入らないとだめだからね」と念を押されました。冠詞の話もいろいろおもしろいネタがあるのでまた書きますね。
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