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絵本感想『水曜日の本屋さん』(2007)『だいすきな ほんくん』(2001)
本をテーマにした絵本を読みました。どちらも面白かったです。
文:シルヴィ・ネーマン 絵:オリヴィエ・タレック 訳:平岡 敦『水曜日の本屋さん』光村教育図書, 2009
いつも水曜日に本屋さんへ行くと戦争の本を読んでいるおじいさん。本が売れないと良いなと思いながら少しずつ読んでいたおじいさんだったが、クリスマスプレゼントとして本が売れてしまい……。絵本が大好きな女の子の視点から描かれるハートウォーミングな物語。
本が売れたとわかり落ち込んだおじいさんを見て、「大きな袋をしょわされたように背中をまるめた。何がはいっているの、その袋?」と女の子。
こんな悲しいサンタがあるのかと思ったら、しっかりクリスマスストーリーで安心しました。
おじいさんはなぜマルヌの戦いの絵本を読んで泣いていたのか、本屋のお姉さんは、どうしておじいさんに本をプレゼントしたのか。
女の子からは見えない大人の気持ちを想像しながら読むことで何度も楽しめ、外国のお洒落な短編アニメのような絵も物語にピッタリでした。
文:クリスティン・オコンネル・ジョージ 絵:マギー・スミス『だいすきな ほんくん』評論社, 2006
プレゼントで貰ったほんは大切な宝物。
自分の手で本をめくるのも、ママに読んで貰うのも、猫や弟に読んであげるのも、広げて頭にかぶるのも、全部大切な思い出。
嬉しい気持そのままに、本の想定される用途に留まらず喜びを表現する男の子の姿がかわいいかったです。
主人公の姿を通して本というものに触れることが純粋に嬉しかった小さい頃を思い出しながら、今も本に触れることが嬉しいことは変わらない大人になれたという気持ちを噛みしめました。
本に限定せず好きなものに触れる時には、これだけ純粋に喜べる気持ちを忘れないようにしたい。
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