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2024年4月の読書まとめ+『ななつのこ』『AURA~魔竜院光牙最後の闘い~』『ナイトウィザード リプレイ 白き陽の御子 』『アイウエオ殺人事件』感想
4月の前半は入院していたこともあり、3月に引き続き読書量が多かったのですが、後半は溜まっていた録画を観たり、日常生活活動に追われてあまり読書ができませんでした。
5月は、仕事が始まり忙しくなることもあって読書量自体は引き続き少なくなりそうですが、質の方で充実した読書時間を過ごしたいと思います。
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加納朋子『ななつのこ』(1992)
19歳の短大生・入江駒子は、ある日書店で『ななつのこ』という短編集に一目惚れし購入した。読み終わると、熱に浮かされたようにファンレターを出したくなり、本の感想と短編の内容から派生した自身の日常にある謎を書いた。すると、作者である佐伯綾乃から返信が届き、そこには書いた謎に対する謎解きも書かれていた。
作者のデビュー作で、作中作『ななつのこ』に関連した駒子の日常が描かれる連作短編集です。
謎自体は小粒なものが多いですが、爽やかでストレスなく読めました。
「バス・ストップで」と「白いタンポポ」が特に好きです。駒子がかわいかった。
田中ロミオ『AURA~魔竜院光牙最後の闘い~』(2008)
映画は見ていましたが原作は未読だったので読んでみました。
元々『人類は衰退しました』が好きなので著者との親和性は高いと思います。
この作品で描かれているのとは違いますが、自分も厨二だった(というか、今も残り香が濃いかも)ので、痛さと懐かしさを勝手に生成しながらの読了となりました。
青春の痛さを独特の切り口で描いており、常識という「枠」に努力しないとはまれない人間として魔竜院光牙最後の闘いに涙してしまいます。
ラノベらしいラノベを読むのも久しぶりですが、読みやすくラノベでしか得られない栄養もあるので、今後も時々読んでいこうかなと思います。
マリみて読んでる小鳩さんは推せます。
菊池たけし/F.E.A.R.『ナイトウィザード リプレイ 白き陽の御子』(2006)
TRPGのリプレイ集です。発刊当時に読みましたが、既に18年も経っていることに驚きです。
久しぶりに手に取りましたが、当時の空気に一気に戻って面白く読めました。絡めて系の敵の設定を見事ダイス目で活かされたラストバトルの盛り上がりはすごかったです。
シナリオも日常が侵食される不穏さを描いたもので好みでした。
リプレイ集を読むと、人とゲームをするのって楽しいって感じが伝わります。
元々一人で遊ぶのが好きですが、たまには人と遊ぶのも良いかなと久しぶりに思いました。
草野唯雄『アイウエオ殺人事件』(1985)
東洋商事別館の総務課のOLには名字がアイウエまで揃っていた。その内のアに当る阿妻輝子の不正に端を発した連続殺人。実行犯は毎回違うが、奇妙にアイウエと時期を置かずして死んでいった。しかも、別館には汚物にまみれた老人と3人の子どもの幽霊まで姿を現す。果たして、殺人はどこまで続くのか……。
全三章で細かく視点人物が変って行く物語です。
本物の怨霊が出るだけあり、人が仕組んだ殺人部分も何かに操られているように最後まで突き進んでいきます。
オの殺人への突っ込みなど、かなり大味な物語で、好みの話ではありませんが、この発想で一冊を書き上げようとする所は好みでした。
草野さんは、これで二冊目なので、いずれまた何か読んでみようと思います。