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江戸川乱歩・原作/藤田新策・画と文『乱歩えほん 押絵と旅する男』(2023)紹介と感想

江戸川乱歩・原作/藤田新策・画と文『乱歩えほん 押絵と旅する男』あすなろ書房, 2023

あらすじ(あすなろ書房ホームページより)

富山県魚津へ蜃気楼を見にいった私は、その帰りの汽車の中で異様な男に出会う。
極彩色の妙に生々しい絵を窓に立てかけていた男が見せてくれたのは、御殿のような部屋に、白髪の老人と、はじらいながらその老人にしなだれかかる17歳くらいの美しい娘を押絵細工で描いた絵だった。
「あなたは、あの二人の本当の身の上話を聞きたいと思いませんか?」と言う男が話しはじめた、世にも奇妙な物語とは?


紹介と感想

1929年に発表された江戸川乱歩の同名名作短編を、絵本『ちいさなまち』(ふじたしんさく名義)や、ポプラ社の少年探偵団や怪盗ルパンシリーズの挿絵でお馴染みの藤田新策さんが再構成した絵本になります。

乱歩独特の語り口で描写される世界を見事に絵として描写し、文章量も絵本の雰囲気を損なう事の無い分量にまとめてあります。

原作の持っている空気感と、藤田新策さんの特徴ある絵のタッチが綺麗に混じり合い、まるで「押絵と旅する男」はこのイラストで見ていたかのような錯覚にとらわれてしまいます。

原作と違う媒体で描かれることで、やはり魅力的で好きな話だと再確認できました。


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