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大川橋蔵・主演 銭形平次 第159話「あらくれ馬子唄」(1969)紹介と感想

原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ
脚本:高橋稔
監督:長谷川安人


あらすじ

泥酔してヤクザ相手に喧嘩していたところを万七に捕まった馬方の岩吉は、朝になって番屋で騒いでいた。
そんな岩吉を丁子屋の女将・お園が迎えに来た。どうやら、岩吉はお園を崇拝しており頭が上がらない様子だ。
お園に番頭の治兵衛と仕入れのために八王子へ行って欲しいと頼まれた岩吉は早速出発する。
酒を飲みながら道中を進んでいた岩吉だが、のどかな状況は一変する。
ゴロツキ達に囲まれた岩吉と治兵衛は、二百両の仕入れ金を奪われた。
ゴロツキ達の発した言葉から岩吉も仲間の一味だと疑われるが、平次は岩吉犯人説に疑惑を抱き調査を進めていく。


紹介と感想

酒好きで乱暴者だが人は良く、本当に悪いことには手を出さない愚直な男・岩吉をメインに据えた物語です。

犯人一味は抜かりなく岩吉を犯人に仕立てようと画策しますが、平次は岩吉という人間の性根を常に見すえていました。

そして、捜査の中で岩吉が独自に5両も貯めていたことがわかります。
強盗の調査とともに、岩吉がなぜ酒も控えめにして金を貯めていたのかもドラマに絡んできます。

岩吉が純粋にお園を思う気持ち表現した八王子までの街道をお園と進む回想は、良い雰囲気に包まれており静のハイライトでした。

一方、平次は僅かな違和感を見逃さず推理を進めていきます。
犯人一味を相手に一芝居をうったり、万七達と岩吉を探して街道を歩いたりと、物語の動き的にも飽きずに観ることが出来ます。

お園に取り入ろうと「銭形平次は裏の裏まで見ようとして性根がひねくれている」とかニヤニヤ言っちゃう万七と、良いタイミングで襖を開けて「親分」と声をかけてくる清吉の二人も相変わらず良いコンビでした。

岩吉を中心としたシンプルな物語を静と動の使い分けで面白いドラマにしていた作品です。最後の岩吉と平次のやり取りも良い締め方でした。オススメ。

※2024年12月6日11時頃まで東映時代劇YouTubeチャンネルでも観れます※

アマプラの東映オンデマンドでも観れます。


キャスト

ゲスト
 岩吉/大山克巳
 お園/菊ひろ子
治兵衛/岡田映一
山城屋/京 大二郎

大川橋蔵版レギュラーキャスト(当話出演者のみ)
 銭形平次/大川橋蔵
  八五郎/林家珍平
   お静/鈴木紀子

   万七/遠藤辰雄
   清吉/池信一

   お弓/土田早苗


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