大川橋蔵・主演 銭形平次 第160話「麝香が匂う」(1969)紹介と感想
原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ
脚本:東條正年
監督:長谷川安人
あらすじ
越後屋から金を借りたの帰り道、突如辻斬りに切り殺された山形屋の主人。
平次は山形屋の手に竹刀ダコがあることに疑問を抱く。
山形屋で聞き込みを始めると、山形屋の事を聞いていく侍の存在が浮かび上がる。
手文庫の中に残されていた文面を頼りに安楽寺の墓地へ向かった平次は、福井左衛門の墓の周囲に女の足跡が残されているのを発見する。
切腹して果てた侍から事件を辿る平次は、過去の御用金強奪事件に絡む因縁に突き当たる。
紹介と感想
過去の罪は長い影となり、悪党達に幸せな運命を与えるのを拒否しました。
そして、一途に仇を追い求めていた娘にも命の危機が迫ります。
欲にまみれた人間達が次々と死んでいく中、怪しい匂いのする懐紙が落ちているという謎めいた道具立て。悪い人間ではなさそうだが、怪しい動きをする浪人者。襲い来る侍たちと、事件は中々尻尾を掴ませない面白さがあります。
出番は多くないものの、菅貫太郎の演技は相変わらず一品でした。
残酷で欲深い悪党ながら、平次の罠にあっさりハマる辺りも良い小悪党です。
最後も、侍らしい最後ととるか、罪から逃げたととるかで印象が変わりますが、やはり現実を直視できず楽な方に逃げてしまう小悪党だったのだと思います。
人を思う心の有無が人生を分けた者たちの物語でした。
※2024年12月13日11時頃まで東映時代劇YouTubeチャンネルでも観れます※
アマプラの東映オンデマンドでも観れます。
キャスト
ゲスト
越前屋善兵衛/菅 貫太郎
おみつ/入江若葉
板垣孫四郎/蔵 一彦
喜助/唐沢民腎
佐助/賀川泰三
大川橋蔵版レギュラーキャスト(当話出演者のみ)
銭形平次/大川橋蔵
八五郎/林家珍平
お静/鈴木紀子