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ドラマ『おしどり探偵』(1983~1984)シリーズ概要+「桃色真珠紛失の謎」「謎を知ってるチョコレート」紹介と感想
ドラマ概要
題名:Agatha Christie's Partners in Crime
製作:LWT/イギリス/1983~1984年
話数:SPドラマ+全10話
時間:51分
レギュラーキャスト
タペンス/フランセスカ・アニス(田島令子)
トミー/ジェームズ・ワーウィック(佐々木功/家中 宏)
アルバート/リース・ディンズデール(中尾隆聖)
マリオット警部/アーサー・コックス(水島鉄夫)
エピソードリスト
SP.秘密機関
01.桃色真珠紛失の謎
02.謎を知ってるチョコレート
03.サニングデールの怪事件
04.牧師の娘
05.キングで勝負
06.大使の靴
07.霧の中の男
08.鉄壁のアリバイ
09.婚約者失踪の謎
10.かくれ造幣局の謎
シリーズ全体の紹介&感想
『なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?』『七つの時計』と続いた、ジェームズ・ワーウィック主演のLWT制作アガサ・クリスティーシリーズ最終作になります。
原作『おしどり探偵(別邦題:二人で探偵を)』から、国際的な陰謀が絡む連作エピソードを除いた単発ミステリー作品が映像化されています。
LWT制作の他のドラマと同じく作りは丁寧で、原作自体が現在の日本語訳で1話20ページ台と短いため、ドラマでは原作では会話だけで流されたシーンや名前しか出て来なかった登場人物を追加しており、物語として原作よりも面白くなっているものもあります。
レギュラーキャラとしても、アルバートが原作以上に存在感があり、吹替も中尾隆聖さんなのでとても良いです。
マリオット警部もブラント探偵事務所の危なっかしい探偵業を見守ってくれる良い司法関係者でした。
敢えて難点を着けるとすれば、ロケとスタジオの映像の境が分かりやすく、映像的に当時としても古臭さがあるところになりますが、これは時が経ったことで逆に気にならなくなりました。
原作通り明るい夫婦探偵物になっているので、気楽に何かを観たい時や、ミステリーを観たいけれど暗い気分になりたくない時にオススメです。
第1話「桃色真珠紛失の謎」
原作:「フラットの妖精」「お茶を一杯」「ピンクの真珠の謎」
原作のプロローグに当たるエピソードと、探偵事務所本格稼働に当たるエピソードを同時に映像化しています。
物語は、原作通りに展開されますが、探偵局についての話を持ち込むのがマリオット警部になっており、国際陰謀が絡む部分は全てカットされています。
また、登場人物周りでは原作では殆ど存在感の無かったレディ・ローラに印象が残るようなシーンを追加していたのが印象に残りました。
ミステリーとしては大したことのない話しですが、本シリーズがどういう作品なのかの自己紹介として楽しいエピソードになっています。
スタッフ
脚本/デヴィッド・バトラー
監督/トニー・ワームビィ
ゲスト
レディ・ローラ・バートン/ダーシイ・グレイ(島 美弥子)
キングストン・ブルース大佐/グレアム・クラウデン(北村弘一/後藤大輔)
ビアトリス/スザンナ・モーリー(高島雅羅)
第2話「謎を知ってるチョコレート」
原作:「死の潜む家」
原作では主人公目線でのみ物語が進むため、悲劇に見舞われる事件関係者周りの描写が薄かったのですが、ドラマ版では物語の最初に館内の人間関係をしっかり描写しています。
その後も、描写の追加によりドラマ部分の厚みが増しているため、もともとドラマ部分の比重が高い話しとして、面白さが増していました。
原作同様、事件の捜査が始まってからは明るいシーンが少ない、シリーズでは異色の話になります。
スタッフ
脚本/ジョナサン・ヘイルズ
監督/クリストファー・ホドソン
ゲスト
レイチェル・ローガン/ジョーン・サンダーソン(麻生美代子/倉持良子)
ハナ・マクファーソン/リズ・スミス(芝田清子/土屋美穂子)
ロイス・ハーグリーブス/リンジー・バクスター(土井美加)