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『おしどり探偵』(1983~1984)「婚約者失踪の謎」「かくれ造幣局の謎」紹介と感想


第9話「婚約者失踪の謎」

原作:「失踪した夫人の謎」

スーザンに会いに行く時にスターベンソンも同行したり、スーザンの怪しい電話をしているところを描いたり、前半で療養所の様子を描写したり、全体的に原作を上手く膨らませています。

特に、原作では2ページ程度でオチに向かっていた療養所の中を調べるシーンを思いっきり膨らませ、タペンスが変装して療養所へ潜入することでサスペンスを盛り、ドキドキ感を煽ってきます。これは、ドラマオリジナルで中盤以降のタペンスの好敵手、クレイバーの厳格さと有能さが効いてます。

素人探偵達のやりすぎ行動もパワーアップしており、名探偵には程遠い姿がいかにもな二人という感じでした。
もちろんオチの脱力感は変わらず、原作でも好きな一作は、ドラマでも好きな一作でした。

スタッフ
脚本/ジョナサン・ヘイルズ
監督/ジョン・クレメンティ

ゲスト
        クレイバー/ロウェナ・クーパー(翠 準子)
      ハリストン博士/ユアン・フーパー(大木民夫)
     レディ・スーザン/エルスペス・マーチ(峰 あつ子)
ガブリエル・スターベンソン/ジョナサン・ニュース(飯塚昭三)


第10話「かくれ造幣局の謎」

原作:「ぱりぱり屋」

明確にエドガー・ウォレス風の事件と明言されて展開される、偽札組織を暴くための潜入捜査回になります。

最終回らしくレギュラー陣も全員登場し、シリーズらしい組織の秘密へと近づきつつ命を狙われるサスペンスが展開されます。

いつも通り原作よりも捜査部分を補強しており、アルバートもバイクにまたがって捜査に参加します。

基本は原作通りながら、飽きずに観ることができる程よい膨らましとなっており、最後には命も狙われるオマケつき、だけど過剰に最終回らしいものとはしていないのが逆に好印象なエピソードです。

スタッフ
脚本/ジェラルド・サヴォリイ
監督/クリストファー・ホドソン

ゲスト
    ハンク・ライダー/シェーン・リマー(宮川洋一/大矢兼臣)
マルグリート・レイドロー/キャロル・ルソー(鈴木弘子)
ジミー・フォークナー大尉/クリストファー・スコウラー(中 庸助)


ドラマ概要

題名:Agatha Christie's Partners in Crime
製作:LWT/イギリス/1983~1984年
話数:SPドラマ+全10話
時間:51分(SPは116分)
レギュラーキャスト
   タペンス/フランセスカ・アニス(田島令子)
    トミー/ジェームズ・ワーウィック(佐々木功/家中 宏)
  アルバート/リース・ディンズデール(中尾隆聖)
マリオット警部/アーサー・コックス(水島鉄夫)

エピソードリスト
SP.秘密機関
01.桃色真珠紛失の謎
02.謎を知ってるチョコレート
03.サニングデールの怪事件
04.牧師の娘
05.キングで勝負
06.大使の靴
07.霧の中の男
08.鉄壁のアリバイ
09.婚約者失踪の謎
10.かくれ造幣局の謎


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