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ブリュノ・クレメール主演 メグレ警視17「ローソク売り Maigret et la vente à la bougie」(1995)紹介と感想

原作:ジョルジュ・シムノン『愚かな取引』(1939)
脚本:ドミニク・ルレ、ピエール・グラニエ=デュフェール
監督:ピエール・グラニエ=デュフェール
時間:96分


あらすじ

前科者のフレッドに頼み事があり、ヴァンデ県のフレッドが営んでいる宿を訪れたメグレ。宿には、競売のために人が集まっていた。
夜、メグレ夫人に電話の最中、男の叫び声が聞こえ、宿中の者が飛び出した。宿泊客の一人が刺殺されたのだ。
メグレは、窓の割られ方から内部の者の犯行ではないかと検討を付ける。
メグレは、高熱と咳で体調不良の中、事件当夜宿に居た者から話を聞き、当時の行動を繰り返させる。


視聴記録

原作でよく見られる風邪を引いたメグレが関わる、出張中の一仕事を描いた物語です。大量殺人の悪夢にうなされるメグレの姿も見られます。

原作はポケミスにして20ページ程の短編なので、ドラマでは短編の筋に沿った展開ながら、宿に滞在している人間を増やしたり、登場人物の背景を濃くしています。また、死人が1人増え、犯人や動機も変更されています。

原作同様、物語は宿から出る事無く展開されるため、中盤は容疑者を順番に尋問していく場面が続きますが、テンポは悪くないため、そこまでダレませんでした。

様々な要素で色付けしていますが、ミステリーとしては時間の割に薄味です。
それでも、原作よりミステリー的であろうとしている所に、本ドラマの特色が出ていると思いました。

動きが少ないのは否めないため、会話劇中心の展開が苦手な人には向きませんが、雰囲気は悪くなく、殺人に巻き込まれた人々と体調不良のメグレを描いた一幕の物語として楽しめました。

「3本のローソクに1本ずつ火をつける。最後の1本が消えかかると入札も最高潮に。火に目をやりながら入札を遅らせる。勘の鋭い者が勝つ」
「金を多く持ってるやつが勝つのが通例だ」
「それが常識さ」

本編で語られるローソク売りについて

キャスト

ジュール・メグレ/ブリュノ・クレメール

    フレッド/エディエンヌ・シコ
     ニコラ/ダニエル・ジェラン
  ジュリエット/ミシェル・モレッティ
     グルー/ピエール・フォレスト
    カニュ/フレデリック・ピエロ
     ナイス/ジル・トレトン
    テレーズ/マルゴ・アバスカル
  ブルトン医師/リオネル・アスティエ


ブリュノ・クレメール主演シリーズ視聴記録

☆がお気に入り、〇がお気に入りには後一歩だけど楽しめた作品、△が思うところはあるけどドラマとしては悪くない作品です。
全て現時点での評価になります。

〇01「メグレと消えた死体」(1991)
 04「モンマルトルのメグレ」(1992)
☆05「メグレと首なし死体」(1992)
☆06「メグレと深夜の十字路」(1992)
☆07「ホテル・マジェスティックの地下室」(1993)
☆08「メグレたてつく」(1993)
☆11「メグレと宝石泥棒」(1994)
〇12「メグレと幽霊」(1994)
☆16「メグレと老婦人」(1995)
〇17「ローソク売り」(1995)
☆19「サン・フィアクル殺人事件」(1995)
☆21「男の首」(1995)
☆23「パリ連続殺人事件」(1996)
☆25「聖歌隊少年の証言」(1997)
△31「ジュモン51分の停車」(1999)
△32「メグレは二つに見える」(2000)
〇36「開いた窓」(2001)
△37「メグレとワイン商」(2002)
 38「メグレと政府高官」(2002)
〇40「メグレと奇妙な女中の謎」(2002)
☆41「メグレと田舎教師」(2002)


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