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2024年12月の読書まとめ+『「腸と脳」の科学 脳と体を整える、腸の知られざるはたらき』『論理的思考とは何か』『グッドモーニング・キス 22』『晴れた日は図書館へいこう』紹介と感想
12月も仕事に役立てられないかなと前半は実用書を読んでましたが、良いクリスマス絵本に出会えたり、比較的幅広く小説を読めたりと、忙しい年末にしてはしっかり読書できていたなと思います。
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坪井貴司『「腸と脳」の科学 脳と体を整える、腸の知られざるはたらき』講談社, 2024
脳腸相関に興味が出て来たので、分かりやすく全体像を知ることができそうだと思い読了しました。
脳腸相関の基本から、睡眠や記憶、様々な疾患などにおける働き、腸と他の臓器の相関はどのように起こっているのかなどが分かりやすく書かれていました。
また、最初にQ&Aとしてよく気になる事柄の簡単な解説と、詳しい解説が本書のどこに書いているのかが分かるのも良かったです。
それぞれの個別の働きなど詳細まではさすがに理解しきれていませんが、大枠のイメージを掴むことができたので、得た知識を自分の生活や仕事で役立てていきたいと思います。
渡邉雅子『論理的思考とは何か』岩波書店, 2024
論理的な思考とは、唯一無二の道筋を辿るもの。そんなイメージがありましたが、その視野の狭さを広げてくれた一冊となりました。
論理的思考とは、社会の中の文化や伝統に影響されており、論理的が示す意味も、その道筋も、結論すら変わってしまうことが説明されています。
そして、これからの社会では、これら複数の論理を知識として身に着け、必要なタイミングで道具として使いこなすことが大切になると著者は話しています。
人の意見にイラっとすることも多い昨今、人がどんな論理のもとで話しているのかを理解すれば冷静に物事を見ることに繋がるなと思います。
本書の知識も実生活で活かせるようにしていきたいです。
高須賀由枝『グッドモーニング・キス 22』集英社, 2023
子ども食堂編が完結する今巻では、水野さんの恋に決着が着き、代わりに彼の心には新たなモヤモヤが住み着きました。
色々と不安がありながらも純粋に好きな道を進んでいる上原くんはすごいなと思います。
自分も水野さんのように、何かあると心が折れたり、怖くなって好きなことの周辺を意識しているだけになってしまいがちです。
さすがに告白は上手くいかないよ~って思ってしまいましたが。
そして、一星も大きな決断をして一度退場のフラグが経ちました。
さて、久しぶりに阿部っちメインのエピソードが始まり次回へ続く。
阿部っち好きなので続きが楽しみです。
緑川聖司『晴れた日は図書館へいこう』ポプラ社, 2013
小学五年生の茅野しおりを主人公に、憧れのいとこで司書の美弥子さんや同級生の安川くんと本にまつわる日常の事件に巻き込まれるシリーズ第1弾です。
原作は2003年刊行で第一回日本児童文学者協会長編児童文学新人賞佳作受賞作品になります。今回は書下ろし短編も追加された2013年出版の文庫版を読みました。
連作短編集となっており、一人で図書館へ来ている3歳の女の子、60年間返却されなかった本、ブックポストが濡らされていた謎、短期間に何冊もの児童書が無断借用されている事件などが描かれます。
謎の奥には常に人が関わる〝なぜ〟があり、表面上の事実だけでなく理由まで知ることの大切さがミステリーを通して語られていました。
ぜひ続編も読んでいきたいと思います。
一番好きな話は、文庫書下ろしの「雨の日も図書館へいこう」です。
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