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銭形平次について

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銭形平次についての記事をまとめています
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2024年11月の記事一覧

大川橋蔵・主演 銭形平次 第155話「誓いの匕首」(1969)紹介と感想

原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ 脚本:迫間健 監督:長谷川安人 あらすじ 今日は島から御赦免船が帰ってくる日だった。 平次と八五郎が捕まえた男・佐吉が三年振りに船に乗って帰って来た。 誰かの迎えを待っている佐吉に声をかけた平次は、一緒に杯を傾け、佐吉が妹のように可愛がっていたお妙との再会を取り付けたのだった。 平次は、三年前に佐吉が身代わりで犯人と名乗り出たことを知っていたのだ。 佐吉が堅気としてやり直せるように手をかける平次とお妙だったが、悪の方も佐吉を放って

大川橋蔵・主演 銭形平次 第156話「浮世数え唄」(1969)紹介と感想

原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ 脚本:浅井昭三郎 監督:佐々木康 あらすじ お加代という養子に出した娘への思いを断ち切ろうとしているお駒。 同じ頃、平次が休みを静かに過ごそうとしていると、殺しがあったと八五郎が飛び込んでくる。 殺しの舞台は朝駒太夫一座の小屋。殺されたのは身持ちの悪く暇を出される直前の男だった。 お駒や小屋主の源兵衛のほか、万七的には小屋の者すべてが怪しく見える中、平次はお駒の動きに目をつける。 悪い男達が群がる中、母娘はどうなってしまうのか……

大川橋蔵・主演 銭形平次 第157話「妄執の刃」(1969)紹介と感想

原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ 脚本:櫻井康裕 監督:鳥居元宏 あらすじ 平次が奉行から褒めらると話題になっている頃、平次に恨みを持つ極悪人の影が近づいていた。 平次が昔捕まえた男・辰五郎が島抜けをして平次の命を狙っているのだ。 昔の仲間を集め準備を整える辰五郎は、当時付きまとっていた女・おちかへも近づいていく。 おちかは辰五郎の陰に怯えながら、新しい出会いに先へ進もうとしていた。 平次は全力で辰五郎一味へと立ち向かう。 紹介と感想 捕まえた犯人へも情けをか

大川橋蔵・主演 銭形平次 第158話「獅子の舞」(1969)紹介と感想

原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ 脚本:野上龍雄 監督:佐々木康 あらすじ お延の父親である踊りの師匠・宗十郎が何者かに殺され、現場にはお延の弟・太郎吉の煙草入れが落ちていた。 「宗十郎をころしたのは太郎吉」という投げ文を受けとった平次は捜査を始める。 太郎吉は、踊りの名人だったが女癖の悪さで勘当されていた。 調べを始めると、後継者を巡る各人の思惑がみえてくる。 誰が太郎吉に罪を着せようとしているのか。平次は、姉弟に寄り添いながら事件の裏に潜む黒幕へと迫っていく。

野村胡堂『銭形平次捕物控』第26話~第30話 紹介と感想

第26話「綾吉殺し」(『オール讀物』1934年3月号) 野村胡堂『銭形平次捕物控(二)八人芸の女』嶋中書店, 2004, p.120-158 あらすじ 恵大寺の墓場に美女の幽霊が出るため、植木屋幸助の声かけに町内の腕利き衆が退治に出かけることになり、面白半分に八五郎も参加した。 幽霊を取り逃した帰り、町内の男衆で唯一人来なかった地紙屋の綾吉の家に寄ると、当の綾吉が死んでいるのが発見された。 現場に落ちていた凶器から万七は石屋の力松を捕まえるが、八五郎は現場の状況から違和

野村胡堂『銭形平次捕物控』第31話~第35話 紹介と感想

第31話 濡れた千両箱(『オール讀物』1934年8月号) 野村胡堂『銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ』嶋中書店, 2004, p.75-117 野村胡堂『時代推理小説傑作選 銭形平次捕物控 新装版』光文社, 2004, p.71-114 あらすじ 材木問屋・春木屋の主人が寄進した三千両が煙のように消え失せた。 笹野様に頼まれた平次は、万七の縄張りという事もあり八五郎を派遣する。 八五郎は寺の敷地から千両箱を見つけるが、中には砂利が詰まっているだけで、小判は見つからなかっ