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銭形平次について

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2023年11月の記事一覧

大川橋蔵主演「銭形平次」(1966~1984/全888話)+映画1本(1967)

1966年5月4日から1984年4月4日まで全888話が放送された、大川橋蔵が銭形平次を演じたシリーズです。 初期の10年位は毎週休みなく放送されていました。 同一主演で全888話を演じたドラマシリーズは世界最長の記録となります。 (ちなみに、松平健が徳川吉宗を演じた「暴れん坊将軍」は、全823話になります) また、この時期のドラマとしては珍しく、全888話の映像が全て残っているドラマでもあります。 ドラマ『銭形平次』(1966~1984)について 勧善懲悪捕物帳ドラマ

銭形平次捕物控21「雪の精」(1932)+映像化作品 紹介と感想

あらすじ 越後屋佐吉と女房・お市が雪の日の夜に酒を飲んでいると、ドアを叩く音が聞こえる。 お市が外へ出てみるが誰もいない。と思う間もなくお市の首が一瞬で切り裂かれた。 現場には下駄の足跡が残っていたが、周囲には誰もいない。 佐吉に直接頼まれた平次は、八五郎へ調べを頼む。 不可解な状況で起こった殺人事件に、平次の明智が光る。 感想 不可思議状況の演出に全振りした話です。 ミステリーとしては弱めですが、演出の良さがあります。 また、万七の出番が多かったり、石原利助の縄張り

銭形平次捕物控31「濡れた千両箱」(1934)+映像化作品 紹介と感想

原作紹介 材木問屋・春木屋の主人が寄進した三千両が煙のように消え失せた。 笹野様に頼まれた平次は、万七の縄張りという事もあり八五郎を派遣する。 八五郎は寺の敷地から千両箱を見つけるが、中には砂利が詰まっているだけで、小判は見つからなかった。 平次は運ぶ途中に夕立で休憩をとった茶店と、その時分に起こった浪人と遊び人の喧嘩に目をつける。 消えた三千両の行方が気になり、上手く興味を持続させている一編です。 映像化紹介 映像化は3つあります。 小金井勝・主演「濡れた千両箱

銭形平次捕物控48「お藤は解く」(1936)+映像化作品 紹介と感想

あらすじ 甲州屋万兵衛が風呂場で首を切られて殺された。 事件の調べを笹野より直々に頼まれた平次は現場へ赴く。 妾に倅、番頭に弟と家中の者が怪しいが、行儀見習で住んでいる娘・お藤が次々と皆の疑いを解いていく。 容疑者が次々と消えていく中で、果たして事件の真実はどこにあるのか。 平次は少しの矛盾も逃さずに事件を解決へと導いていく。 感想 平次の捜査能力のすごさだけでなく、縮尻平次としての人情も見所です。 もちろん、縮尻平次の真意を理解している笹野様も素晴らしい。 お藤の真

銭形平次捕物控105「刑場の花嫁」(1940)+映像化作品 紹介と感想

あらすじ 三文字屋の大旦那・久兵衛が殺された。 事件を調べる島吉の解決を手伝う事になった平次は、下手人として養子の小三郎を捕まえた。 しかし、それから二ヶ月後、久兵衛の娘・お美乃が小三郎は犯人ではないと訴え驚きの真実を告げる。 明後日に迫るお処刑までに平次は真犯人を探し出せるのか。 処刑までの時を稼ぐために、お美乃は大胆な行動に打って出る。 映像化作品 後半の展開がドラマチックなため映像化も3つと多いです。 大川橋蔵版 第8話「刑場の花嫁」(1966) 風間杜夫版 

銭形平次捕物控111「火遁の術」(1940)+映像化作品 紹介と感想

あらすじ 八五郎に誘われ、道灌山で東海坊が行う火伏せの行を見に行った平次。 東海坊は最近話題の修験者で、どんな病もたちどころに治すと評判だ。 火伏せの行が始まるが、床の仕掛けに細工がされており、東海坊が焼死した。 調べを進めると、東海坊は女癖も悪く、幾人もの人に恨みを買っている事が判明する。 感想 死に方が派手で、ミステリー的な興味を繋ぐ描き方をしているため、平次短編の中では謎解きものとして楽しめる一編です。 人の弱みに付け込んで金を稼ぐ山師は、現代にも変わらずいます

銭形平次捕物控142「権八の罪」(1943)+映像化作品 紹介と感想

原作紹介 今回は平次から八五郎へ事件が持ち込まれる。仏として知られている善人・相模屋総兵衛が殺された。調べを始めると、下男の権八が金を盗んで消えており、十年分の給金が支払われていない事で主人を恨んでいたとの情報が入る。下手人は権八だと思われたが、平次は人間関係を紐解くことで真の下手人を見つけ出す。 ページ数が少な目な事もあり、骨格は良いのですが、内容は標準的な平次短編でした。 映像化作品 骨格の面白さがあるからか映像化は多く、大川橋蔵版、北大路欣也版、風間杜夫版と3