火星に思いを馳せる調味料
数年前から夜ご飯に炭水化物をほとんど食べない生活をしている。仕事終わりの遅めの時間にガッツリ食べてしまうと次の日に胃もたれする様な感覚が続きなんとなく食生活を変えようかと思ったのがきっかけである(いわゆる胃袋のおじさん化)。
その頃はRIZAPとかで極端に糖質制限することで痩せるダイエットが流行ってきはじめていた時期でもあり糖質制限試してみようかという流行りに乗っかってみたみたいなところもある。
とはいえ、極端な制限ということはせず、夜は炭水化物食べないというだけで朝昼は普通に食べていたし昼に定食屋でご飯のおかわりしたりもしている。
夜ご飯に炭水化物食べないとなると何を食べているのか?主に草だ。いわゆる野菜。生野菜はそれほど好きではないが火を通した野菜の食感が好きなので苦ではなく、意外と好きで続けている。ちなみに料理が好きな訳では無いので簡単にできるものを飽きるまで同じものを作り続けて食べるという偏食ぶりである。冬は毎日鍋みたいなとこある。
2週間ほど前にもやしナムルを大量に食べたい衝動が来たので仕事の帰り道にて調べるとこんなレシピがあった。
ふんふんと読み進めていくとナンプラーの文字である。この瞬間僕の脳内で意識が火星に飛んだ。
ご存知の通り(?)僕はSFロボットアニメが好きなので数々のロボットアニメを見てきたのだが、中でも思春期に見た機動戦艦ナデシコは未だにとても好きな作品ですごくどうでもいいことも覚えてたりする。
主人公のアキトが火星育ちであり火星に遺された遺跡を巡って木星の人類と地球の人類が何やかんやして宇宙で戦う物語なのだが、アキト君は機動兵器エステバリスのパイロットの素養を持っているものの、料理人になるという夢を持っており宇宙戦艦ナデシコの中では厨房クルー兼パイロットという異色の展開である。
そんなアキト君の料理の師匠がナデシコの料理長でもあるホウメイさんというキャラクターだ。ホウメイさんは世界中の料理を作れる知識と技術を持っているのだが、そのきっかけがとなったエピソードに出てくるのがナンプラーなのである。
何話だかでアキトくんに語られたパエリアの味付けのキモとなるナンプラーが無かったことでその味を再現出来なかったということがこの人の料理人としての今を作っているという話なのである。リアルタイムで見ていたのでもう25年前に見たエピソードである。
それ以来、滅多にナンプラーというワードを目にすることは無かったがこのレシピを見た瞬間にこのエピソードを思い出して意識が火星に飛んでいた。
その後、今までナンプラーなんて買おうと思ったことが無かったので「スーパーに寄っても売ってないんやろ?」と思ったら普通に置いてあった。ライフすげーな。
ということで、ほぼ手間もかからない手順で火星を感じる調味料使ったもやしナムル作ったらめちゃくちゃ美味くてかれこれ2週間くらいほぼ毎日もやし1袋分は食べてる。確かにクセのある風味でこれは他の調味料じゃなかなか再現出来ない。ナンプラーがいかに強い調味料であるかがはじめてわかった。なんとなく火星を感じる。
ちなみに、機動戦艦ナデシコの劇場版ではアキトくんパイロット的能力を狙う闇の組織により人体改造を施され、副作用として料理人の命である味覚をほとんど失われるという恐ろしい展開が用意されている鬼畜シナリオである。是非テレビ版と併せて見てもらいたい。
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