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お金とは、誰かの「機会」なのだと思う。

先日こんなツイートをした。別にバズったとかいうほどではないのだけど、自分史上では思いの外の反響で、いつも地味にミャンマーライフをツイートするだけの私はSNSに少々びっくりしている。このツイートに対してこんな声ももらえて素直にとても、嬉しかった。

一部しかご紹介できていないけれど、まずは「イイネ」してくれたみなさんと、そしてコメントをくれたみなさんにお礼を言いたい。ありがとうございました。

今まで根暗に粛々と私が「お腹すいた」だとか「今日もスタッフが休んだ・・」だとかをアジアの片隅のミャンマーからツイートしていた私は、「誰かがみていてくれている」ということがとても嬉しかったです。

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さてと。これまでも何回か給料日については、noteに書いてきた。

それほどまでに「給料」とは経営者を悩ませるものであると思うし、「給料日」とは1ヶ月で一番怖く、一番プレッシャーを感じ、一番みんなからみられていると感じる一日である。

そう。会社経営を始めたあの日から、私は給料日が怖くなった。

曲がりなりにも日本での勤務経験がある私にとって、給料日は呑気なものであった。るんるんと自分の口座を確認して、普段一人で晩酌なんてしない私が、お風呂上がりにテレビを見ながらビールをあける。

今月はどんな洋服を買おうか、どんな美味しいものを食べに行こうか、遠くにいる大好きな友達に会いに行こうか。いや、やっぱり将来のためにここは貯蓄だろうか。

そんなことをどこにでもいるアラサー女性らしく考えるのが好きだった。

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起業することを決めて、会社を退職したあの日。私は月々安定的に20万~30万のお金が口座に振り込まれてきていたことの凄みを知った。そしてそんな大金をこれからは自分で生み出して行かない限り、私は生きていくことができないのだという恐怖にかられた。

「お金ってどうやって生み出すのだろう。」

起業すると啖呵を切って辞めたのに全力で会社に戻りたい...戻りたいのだ!

「ムカつく上司にも、謎すぎる残業にも耐えるから、どうか戻してください」と願って眠れない夜が続いた。

今から考えると本末転倒なただのアホである。

口座からただただお金が減っていくのは本当に怖い。あれ以来、夜の飲み屋で会社の愚痴を言っている人には、とりあえず「退職」をおすすめするようにしている。

人生観変わるから。


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そんな私が一歩を踏み出したのはあの日だ。

初めて商品が売れた日。私たちHerBESTにとって初めてのお客様ができた日だ。あの日、目の前で「HerBESTさんの価値を信じる」と言ってお金を出してくれたお客様がいたから、私たちは今日がある。

私の会社はハウスキーピングの会社だ。お客様のお部屋で生活を整えることを仕事にしている私たちだから、これは余計に思うのだけど、そのお客さん一人一人の開いたお財布の先には、リアルな生活があるのだ。

この人はこういうものが好きなんだなと知るたびに、私たちに支払ったお金を、ずっしりと重みをもって感じることができる。だってその人はそのお金で、もっとふかふかのベッドを購入できたかもしれないし、旅行に行けたし、流行りの洋服だって買えたじゃないか。

私たちが頂いているお金は、その人が他の何かに変えられた何かだ。


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もうひとつ、私には大事にしていることがある。

スタッフの家に遊びに行くこと。私たちは定点観測のように月に1回くらいスタッフの家にひょっこりと遊びに行く。その度に何かが変わるのを見るのが楽しくてたまらないのだ。あ、テレビが増えている。あ、携帯が新しくなっている。あれ、子供が学校に行き始めたんだね。ちょっと食事が豪華かな。お母さん調子が悪いのか。今月は病院費用がかさみそうだな。

そんなことをみている。

私たちが毎月手渡しするお金は、彼らの生活を着実に形作る何かだ。


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そう。「お金」とは「機会」だ。

お客様にとっても、そしてスタッフにとっても。

私たちに支払ったその金額で、誰かはもっと美味しいものが食べれたし、日本にだってかえれたし、好きな人にプレゼントを買うことだってできただろう。

そして同じように、私たちが支払ったその給料で、HerBESTのスタッフはテレビを買うし携帯を新調するし、そして学校に行ったりもする。

私たち企業はそうやって、誰かの機会を頂いて価値にしてお返しするし、頂いた機会をスタッフに別の機会になるようにと手渡してしいく。

それができなくなったら存在する価値なんてどこにもないのだ。

私の仕事はその両方を繋ぎ続けること。頂いたお金に見合った価値を提供し続けること。そしてスタッフに与えられる給料という名の機会を最大化し続けることだ。

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私は給料日が怖くなった。

自分の仕事の価値をスタッフからもお客さんからも問われている気がするからだ。それは会社からキャッシュがなくなっていくという事実以上に、私にとってはとても怖い。だけどそれはとっても大事な瞬間だ。

給料日はとても安心する日でもある。

今月も、無事渡すことができた。これでスタッフ約10人が今月も生きていくことができると思うと、ほっと胸をなでおろす。

だから私は、その緑色の封筒に誰かの「機会」をいっぱいに詰めて、今月も給料を渡し続ける。そして願わくば、これからもずっとずっと。

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