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#9 今週の「名言とことば」

 今週、10月17日~21日までの「名言とことば」です。
 今週のツイートには、これまで慣習としてきた「#」の使い方を外しまして、「そのことばを発した人」に関係するものを「#」付きで記してみました。
 もしかしたら今後も、時たまこうするかもしれませんから、ご承知おきください。

#40「初心忘るべからず」―世阿弥

ぜあみ【世阿弥】室町初期の能役者・能作者。大和猿楽の観世座二代目の大夫。幼名、藤若。通称、三郎。実名は元清。法名的芸名、世阿弥陀仏(世阿弥・世阿)。法名、至翁・善芳。足利義満の庇護を受け、田楽の喜阿弥・増阿弥、近江猿楽の犬王らとともに活躍。父観阿弥やこれらライバルの影響を受け、歌舞中心の幽玄な能の世界を確立した。「風姿花伝」「花鏡」ほか多くの能楽伝書を残し、作能に「老松」「高砂」「清経」「実盛」「井筒」「桧垣」「砧」「融(とおる)」など芸術性の高い多くの作品が伝わる。(一三六三?~一四四三?)

『広辞苑 第七版』

 「初心忘るべからず」。このことばは、日常生活でもよく聞くことばではないでしょうか。
 よく聞かれる、つまりよく言われるようになった理由は一つしかありませんでしょう。それは、このことばが非常に的確な事を言っているから。

 ツイートにも記したとおり、その物事に慣れていくと作業が習慣となり、一つの身体の使い方の流れとなり、ついつい注意すべきことにも気を遣っていられなくなって行ってしまうものです。

 定期的に、初心を思い出すようになさってみてはいかがでしょう?

#41「人間の最大の罪は不機嫌である」―Johann Wolfgang von Goethe

ゲーテ【Johann Wolfgang von Goethe】ドイツの詩人・作家・劇作家。青年期の抒情詩や戯曲「ゲッツ」、書簡体小説「若きウェルテルの悩み」で疾風怒濤期の代表者となる。ワイマール公国での政治家生活のかたわら、イタリアで美術を研究。以後古典主義に転じ、シラーと親交を結び、自然科学の諸分野でも研究の成果を上げた。戯曲「エグモント」「ファウスト」、小説「ヴィルヘルム=マイスター」「親和力」、叙事詩「ライネケ狐」「ヘルマンとドロテア」、自伝「詩と真実」、「イタリア紀行」、詩集「西東詩集」など。(一七四九~一八三二)

『広辞苑 第七版』

 あなたの周りの一人が不機嫌になってみましょう。その空間にいる全員がその人に変に気を遣うようになり、それによって全員がうんざりした心地になり、結果全員がまた不機嫌に近い状態になってしまう。そんなことがよくあるはずです。

 そして不機嫌になった人は当然、その機嫌のせいで冷静な判断ができなくなり、作業効率はがたっと落ち、またその結果によってまた不機嫌になっていく。

 つまり、不機嫌に良い事は何もないのです。

 不機嫌になりそうになってしまった時、一つ、同じことについても上機嫌になれそうな考え方をしてみてはいかがでしょう?

#42「人の光を借りて我が光を増さんと欲する勿れ」―森鴎外

もり-おうがい【森鷗外】作家。名は林太郎。別号、観潮楼主人など。石見(島根県)津和野生れ。東大医科出身。軍医となり、ヨーロッパ留学。陸軍軍医総監・帝室博物館総長。文芸に造詣深く、「しからみ草紙」を創刊。傍ら西欧文学の紹介・翻訳、創作・批評を行い、明治文壇の重鎮。主な作品は「舞姫」「雁」「阿部一族」「渋江抽斎」「高瀬舟」、翻訳は「於母影」「即興詩人」「ファウスト」など。(一八六二~一九二二)

『広辞苑 第七版』

 「人の光を借り」る人とは、例えばあんな人でしょうか。こんな人でしょうか。思い浮かべる人は皆さんそれぞれ違うと思いますが、その誰に対しても、決していいイメージはないんじゃないでしょうか。

 人によって自らの身分を高めている人は、結局はその人に依存しているわけです。何も自分の力ではない。

 真に自らの光を増したければ、自らが努力するべきです。

#43「出来ないことは、次、出来るようになればいい。出来ることを探せばいい」―才津祥子

五島列島に住むめぐみの母親。漁師だった夫が亡くなったあと、女手ひとつでめぐみを育てた。なんでも自分でやって、自分の力で生きていくことをモットーにしている。めぐみとは折り合いが悪いが、孫の舞にとっては良き理解者となる。

“才津祥子 - 人物紹介|NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』”. NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』. 2022年10月23日閲覧

 祥子さんは、2022年度後期 NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の登場人物です。

 このことばは、失敗ばかりしていることを悩んでいた主人公、岩倉舞さんに、祖母である祥子さんがかけたことば。このことばあってか、この後舞は大きな成長を遂げていきます。

 このことばが伝えている事は、誰にだって同じです。

 誰にでも、必ず出来る事・得意な事がある。
 目の前のそれが出来なければ、ほかの事をやって見ればいい。

#44「人は何かを作る時には孤独でなくてはならない。でも同時に人とのつながりが必要だ」―Herbert Blomstedt

ヘルベルト・ブロムシュテット(典: Herbert Blomstedt、1927年7月11日 - )は、アメリカ生まれのスウェーデン人指揮者。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、バンベルク交響楽団、シュターツカペレ・ドレスデンなどの名誉指揮者。NHK交響楽団の桂冠名誉指揮者。セブンスデー・アドベンチスト教会の信徒でもある。

「Weblio辞書」より、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 15:01 UTC 版)

 この日はブロムシュテットさんがタクトを振る「NHK交響楽団 第1966回 定期公演 Cプログラム」の開催日だったという事もあって、彼のことばを取り上げてみました。

 「人は何かを作る時には孤独でなくてはならない。でも同時に人とのつながりが必要だ」。

 ツイートにも記したとおり、「孤独」と「つながり」は一般に相対するものです。
 しかし、“音楽を創る”プロであるブロムシュテットさんによれば、この二つが「何かを作る時」に必要なものであると。

 この二つがどう関わってくるのか。それを考えてみることでまた、一段階深い創作が出来るようになるのでしょう。


 今週もお世話になりました。
 来週も出来るだけのものをと努めてまいります。どうぞよろしくお願いします。

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