分断を乗り越えるきっかけに欠かせないこととは?
アメリカでは政治的な分断が深刻化し、対立する政党の支持者を「不道徳」と見なす傾向が強いとされています。しかし、Scientific Americanの2024年10月28日の記事(https://www.scientificamerican.com/article/people-overestimate-political-opponents-immorality/)によると、これは多くの場合、誤解に基づいていることが明らかになりました。調査によると、共和党員と民主党員の双方が、相手側の支持者の約23%が脱税や動物虐待といった不道徳な行動を容認していると考えていましたが、実際にはその割合はほぼゼロだったのです。
さらに、相手を「不道徳」と見なすほど、対立する政党の支持者を「動物のようだ」といった非人間的な表現で語る傾向が強まり、これが対話や理解を拒む要因となっていることも判明しました。
このような誤解を減らす方法として、共通する道徳的価値を確認することが有効であると研究は提案しています。たとえば、「脱税や動物虐待は間違っている」という共通点が示されると、政治的に異なる意見を持つ人々でも協力しやすくなることが確認されています。意見が異なっていても、多くの人が「友人や家族、地域社会を守りたい」という共通の価値観を持っていると認識できれば、対話が改善するきっかけになるというわけです。
これは学校や日常生活の人間関係でも当てはまるでしょう。たとえば、ケンカをしている子どもたちでも、「ずっとケンカを続けたくない」「仲直りしたい」といった共通の願いを確認できれば、そのために何をすべきか話し合える対話が生まれるかもしれません。このように、共通の価値観に立脚した対話が、分断や対立を乗り越える鍵となるのです。
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