部下を育てる時は、「教え」るのではなく「考え」を深めるように接すると良い話。

ひさしぶりのnoteです。

今日は、部下を育てる時に私が気をつけていることを書いていこうと思います。

結構陥りがちな、やらかしやすいトラブルとして、ついつい、自分の部下だからといってダメなところを是正したくなったり、指摘したくなったりすると思います。

ですが、これまで色々な人材を育て行く中で、「教える」ことは必ずしも、その子の成長につながるわけではないのです。

以前の会社に勤めていた頃に、中途入社されてきた5才年上の方の社内育成担当になったことがありました。

その方は、入社前の会社では実務経験が少なく、1日でも早く戦力化するように、ということで、人材育成担当として私がアサインされていたのです。

早く実力をつけてほしいという気持ちが先行していた私は、当時知っている知識やスキルを、気づいたところから、怒涛の勢いでフィードバックしていきました。

フィードバック時間が1日に3時間近くになることもありました。

ですが、思った以上にスキルが伸びず、指摘したことはスルー、教えた内容は守らない、と予想とは反して、パフォーマンスは全く伸びない数ヶ月が続きました。

そんな状態が続き、私自身も気が滅入ってしまい、教える気持ちもなくなっていっていました。

うーん、困った。

悩みに悩んだ私は、人材育成といえば、子育てかな?

子育てといえば、母親かな?という謎の理論飛躍を遂げ、

母親にポロっと相談してみました。

ひとしきり話を聞いた母親は、一言こう言いました。

「教えちゃだめよ、気づかせないと」

母曰く、

子育てのときから気をつけていたんだけど、

言われてなくてもできる人が20%

言われてできる人が60%

言われても出来ない人が20%

こういう割合で人は分かれるらしいの。

でも、この違いどこから来ると思う?

それは、「自分事として自分で気づけるか」ということらしいのよ。

眼の前に起きている出来事が、自分にとってどんな意味を持っていて

どうしないといけないのか、それがかっちりはまらないと人は動かないのよ。

だからこそ、「教える」んじゃなくて、「気づかせる」

最初は、

眼の前で今何が起きていたと思う?

どんなことが起きていると思う?

次はどうなると思う?

という感じで、現場を見せたあとに感想を聞くの

ある程度、目の前で起きていることが把握できるようになってきたら

あなたならこの後どうする?

あなたならこう聞かれたどう答える?

僕はこう思ったけど、あなたなら思った?

という感じで、相手の気持ちと起きている事象を結びつける質問をしてあげるのね。

大事なことは、常に「相手の気持ちから」を起点にすること。

そうやって、色々な角度から「あなたならどう思う?」を繰り返して

疑問が出てきたり、質問が出てきて、初めてあなたの考えを「話して」あげるのよ。

「教え」ちゃだめよ。教えるというのは、自分が正しい、ってことが前提なんだから。

自分はこのように考えているけど、あなたはどう思う?という姿勢は常に崩しちゃだめ。

そうすると、その人自身の意見や考え方が出てきて、あなたが見えていない角度からの意見や考えが手に入ると思うわよ。

部下だからといって、下に見てはだめ。

相手も同じように考え、生きてきた人間なんだから。

自分と同じまたはそれ以上の強みを持っている、それを探すのが上司の仕事よ。

この話を聞いてから、母のアドバイス通り、接し方をがらりと変えてみました。

ミーテイングに同席するときには、ミーティングが終わった後に、振り返りを必ずやり、「お客様はどんな方だと思った?」「あのお客様とどんな関係を築きたい?」「どういうアクションを取っていきたい?」

などなど、色々な角度から質問を投げかけていきました。

そうすると、効果はてきめんで、わずか2週間立たずに、

〜〜さんと仕事をするのはやりやすい。

〜〜さんのアイデアが鋭くて面白い。

という良い評判をもらえるようになり、その数ヶ月後には

社内MVPを受賞するまでにいたりました。

それ以来、私が、誰かを育てるときには

「教える」のではなく沢山の「気付き」を得られるように

接しています。

皆様の人材育成に役立てば幸いです。


元落ちこぼれエンジニアです。自分の落ちこぼれ経験をきっかけに人材教育に興味を持ち、誰でも最短で成果が出る教育ノウハウを提供しています。