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「栄養素のはたらき」の授業
こんにちは。中学校家庭科の授業実践をあげています。今回は「栄養素のはたらき」の授業です。
基本的には1時間の授業を、フラッシュカード→教科書の音読・問題→主活動の流れで行っています。ここでは主活動のみを記録します。
【五大栄養素のはらき】
*五大栄養素の主な3つのはたらきを提示し、①〜③の番号をふる。
たんぱく質の主なはたらきは①~③のどれですか?
→①、②
たんぱく質は主に筋肉や血液などの体を構成する成分となります。また、エネルギー源として利用されることもあります。
炭水化物の主なはたらきは①~③のどれですか?
→②
炭水化物は主にエネルギーとして利用されます。
脂質の主なはたらきは①~③のどれですか?
→①、②
脂質は主にエネルギーとして利用されます。また体の細胞膜をつくったり、脂肪として蓄えられたりするので、体の組織をつくるはたらきがあるとも言えます。
無機質の主なはたらきは①~③のどれですか?
→①、③
無機質は体の組織をつくったり、調子を整えたりします。中でもカルシウムは骨や歯の成分に、鉄は血液の成分になるなど、特に中学生の時期には必要な成分と言えます。
ビタミンの主なはたらきは①~③のどれですか?
→③
ビタミンは主に体の調子を整えます。また、全部で13種類あるビタミンは大きく2種類に分けることができ、油に溶けるものを脂溶性ビタミン、水に溶けるものを水溶性ビタミンと言います。
*板書した①~③にそれぞれ栄養素を書き足していく。
*列指名、挙手指名、ピンポイント指名など様々な指名でテンポよく進めていく。
先生の後の続いて言います。
たんぱく質(たんぱく質)
炭水化物(炭水化物)
脂質(脂質)
無機質(無機質)
ビタミン(ビタミン)
*1回で暗記させるというよりも、毎回の授業やフラッシュカードを通して定着を図る。
【「食育の時間+(プラス)ボナとペティの事件簿」】
食育授業支援事務局 (NPO法人企業教育研究会内)の「食育の時間+(プラス)」を活用する。
テーマ2「五大栄養素と栄養バランス」の“学習アニメ1(0:25~)”を視聴。
*問題の場面ではテンポよく指名し、解答させていく。
テーマ2「五大栄養素と栄養バランス」の“解説動画1”を視聴。
昨日の食事の五大栄養素のバランスがどうだったかをチェックします。
テーマ2「五大栄養素と栄養バランス」の学習アプリ“栄養バランスチェッカー”を行う。
「スタート」して「1日3回の食事で見る」を選択します。昨日の朝食、昼食、夕食に近いものを選択しなさい。全ての栄養素が100に近いとよい栄養バランスと言えます。
*お互い交流する時間を設ける。
*五大栄養素を少しでも身近なものにすることを目的としてサラッと行う。
【「ビタミン」の発見】
江戸時代の元禄期。この時代に非常に奇妙な病気が流行り始めました。江戸を訪れた地方の大名や武士に、足元がおぼつかなくなったり、寝込んでしまったり、体調が悪くなることが多くなったのです。そんな人たちも故郷に帰るとケロリと治ってしまうことが多かったため、この病は江戸や大阪などの大都市で起こる病気とされ「江戸わずらい」、「大阪腫れ」などと呼ばれました。明確なデータはないですが、亡くなる方も少なくなかったと言われます。この病気は今では「脚気」と呼ばれています。
脚気、聞いたことある人は挙手します。(確認)
脚気は明治時代になると、東京などの都市部や陸軍があった港町を中心にさらに増加していきます。乳児まで含めると毎年1〜3万人の人が亡くなったと推測されます。
この病気は食事で改善することは一部で知られていました。ただ科学的根拠が示されることはなく、治療法は確立されていませんでした。特に明治から始まった軍隊では多くの人が同じ食事をとることもあり、大勢の患者が発生。死者も多く出ました。この頃には、大都市に多かったこの病気も全国に広がり、国民病と呼ばれるようになりました。
「鈴木梅太郎」の画像を提示。
![](https://assets.st-note.com/img/1643010776031-MuRPWOeBHC.jpg)
1910年にこの病の予防に有効な成分を発見した人が「鈴木梅太郎」です。
梅太郎は米ぬかの中からある成分を発見し、「オリザニン」と名付けました。さらにこの成分は体の動きを維持するのに不可欠なことも発見しました。当時は体を構成する栄養素があればよいと考えられていた時代、体の動きを補助する栄養素は大発見でした。
このオリザニン、今では「ビタミンB1」と呼ばれています。これは世界で最初に発見されたビタミンで、世界に先駆けてビタミンを発見したのは実は日本人だったのです。ただ当時は、脚気は病原体が原因であると考えられていたため、この功績は医学界では認められませんでした。そして、翌年にポーランドの化学者フンクが同じ栄養成分を発見し、「ビタミン」と名付けて発表。今ではこれが浸透し、ビタミンと呼ばれています。
このビタミンB1。米の胚芽という部分に多く深まれています。それまで身分の高い人しか食べられなかった白米ですが、江戸時代には都市部を中心に広がりました。明治になると特に軍隊では農村部ではまだ貴重だった白米をたくさん食べることができるということで人が多く集まっていたため、脚気が流行してしまったのです。
ビタミンB1は、食事摂取基準で中学生男子は1.4mg、女子は1.3mg必要とされています。たかだか数mgの栄養素ですが、我々が健康に生活するためには欠かせないのです。どの栄養素も過不足なくバランスよくとりたいですね。
*今日の授業の感想を書いて終了する。