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急ぐな、慌てるな

アルコール依存症のななにいにです。
頑張らないことを頑張りましょうと、この間noteに書いたばかりなんですが、そもそも「頑張らないことを頑張る」ためにはいったい何をして何を捨てればいいんだろうか書いておこうと思いました。
そこで、とりあえずその方法として「せっかちにならない」ということが解決策としてあがりましたので私の経験をもとに書いていきたいと思います。

【ポイント:依存症者は皆せっかち】
私は子供のころ微妙にイジメを受けていた時期がありました。それは私がのろまだったからです。太っていて足も遅かったですし、算数も苦手だったので計算も遅く、太っている割に食べるのも遅くていつも先生と最後まで食べていました。「のろまなロバと言われていました」。
イジメられていつも泣いていたので、このトロトロした性格が治らないものかといつも悩んでいました。
ある日の給食時間、ご飯を味噌汁で流し込んで食べている同級生が、先生に「しっかり噛みなさい」と怒られていました。好奇心旺盛な私は同じようにご飯を味噌汁で流し込みました。するとスルスル胃に米が入っていくではありませんか。これは私にとって目からうろこの体験でした。次の日から私は学級で一番の早食いになりました。先生にしっかり噛むように毎日怒られていましたが止めることができません。結局早食いの癖はいまでも根付いており、ゆっくり食べることは私にとって課題になっています。

私は計算が本当に遅くてこれには親も悩まされていました。もともと算数自体は嫌いではなかったのですが、計算が遅いこととADHD所以のケアレスミスの多さで、完全な計算アレルギーになってしまいました。小学5何歳の時にはすでに数字を見るだけで吐き気を催すくらい算数が嫌いになってしまいました。
小学六年生になって公文式に入会しました。公文式は鬼のように大量の計算問題を短い時間に解かせることで、計算を速くしてくれます。毎週水曜日の放課後は公文式に通ってから自宅に帰っていました。「早く帰ってゲームをしたい」という一心で火の出るようなスピードで脳みそを回転して、手を動かして計算を行うようにしました。その結果、四則演算は同級生の中で一番早くなりました。いままで馬鹿のレッテルが貼られていましたが先生も見違えるようになったと喜びました。
ただ、それまで自分なりに丁寧に計算は行っていたのですが、公文式に通ってからスピード以外興味がなくなって、計算がめちゃくちゃ雑になりました。とりあえず答案を出して、間違っていたらそのあと修正しようというスタンスに変わりました。これは今でも私の仕事スタイルとなっており、仕事が早く終わるので良いこともありますが、ただでさえADHDでミスが多いのにさらにミスを増長する形になっています。

私は行動の全てがトロかったんです。トロいことで小学生時代はいじめられていましたし、センター試験やTOEICでは満点でなくてもいいからめちゃくちゃ早く解かないと最後まで回答用紙を埋められませんし、大人になってからは仕事で速さだけではなく正確さまでを求められるようになりました。
これによって私は「疲れる」ようになりました。若い時は疲れを感じませんでしたし、大人になってからはコンサータとエナジードリンクでキメていたので疲れを消していました。アルコール依存症で入院した時からコンサータの処方も禁止されてしまったので、何事も急いで物事を進めようとすると恐ろしいくらいの疲れを感じてしまうようになりました。

人生の大切なことも、とにかく早く決めるようになりました。ある時期には何も考えていないだけなのに「即決」という言葉をモットーに生きていました。熟慮する人のことを「優柔不断な奴」と馬鹿にして生きていました。
就職活動は一番最初に内定をくれた会社に入社決めると考えて4月1日の解禁日に内定をくれたブラック会社に決めて、その後の就職活動をやめてしまいました。
社会人2年目に付き合った彼女には3ヶ月でプロポーズをして結婚をしました。私の病気がプロポーズを急かせたなんて口が裂けても言えませんが今の妻です。

このnoteも本気になって平日の朝一時間強の時間で2本記事を書いていました。中間施設の授業も講師の言っていることをすべて速記でノートに書き写していました。それを行ったところ、夕方歩けないくらい疲れてしまいました。夕方の自助会では疲れ切って思いっきり寝ていました。

日常会話では長話はビジネス的に良くないという謎理論で5分程度で早々と切り上げ、自助会の分かち合いも5分程度で早口で切り上げてしまいます。
ただ単にお話しするのが下手だったり、対人関係が苦手で早く会話を切り上げたかっただけなのですが。
そんなことを続けているうちに「へとへとになるくらいに頑張っているのに成長を感じられない」という悩みを抱えるようになりました。へとへとになるくらい急ぐ必要はなかったのです。

「せっかちという欠点を取り去ろう」と決めてから行動を変えてみました。いまでは昼食の弁当箱を3分間で空にしていたのですが、30回噛むようにして30分かけて食べるようになりました。
中間施設の授業もどうせレジュメを配られているので、重要なポイントや感動した言葉だけ書き写すようになりました。
noteに関しても朝の一時間に書くだけではなく、移動中にスマホでも記事を書くようにしてコツコツ進めるようになりました。一気に超高速タイピングで仕上げることを辞めました。
日常会話でもゆっくりすぎるくらいゆっくり話すように心がけました。
その結果、「なんとなく」夕方もつかれなくなったような気がします。しかし、精神的にはかなり楽になりました。

特に依存症者はせっかちなので「ガーッ」っと一気に終わらせてしまいがちです。ゆっくり着実に物事を進める練習をすることが、生きづらさを少し解消すだけではなく、依存症からの回復を進める力になるのだと思っています。


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