転職を後悔した私が「らしさ」を見つけた話
転職をしてあと数ヶ月で2年経つ。転職してから、目まぐるしい毎日を送っている。未経験の業界で未経験の職種。
いろんな経験をしたが、総じて充実したキャリアを送っていると思う。
現在、女性向けキャリアスクール「SHElikes」のコミュニティのひとつである「転職コミュニティ」のコミュニティプランナーをやっている。
「全ての人のキャリアの選択を応援する」をテーマに、イベントを行ったり、キャリアの悩みに答えたりしてきた。
先述したように、現在は充実している実感はあるが、この1年半で何度か後悔したことがある。
あえて転職コミュニティの旗振り役をしている私が、転職してからの後悔と変化の過程をここに記すことで、誰かのきっかけになれば嬉しい。
転職を考えるきっかけになったのは「前職から逃げたい」という気持ちからだった。でも、なかなか一歩を踏み出せなかった。
「自分には何もない」
そう思ったからだった。
SHElikesに入会し、自分には何もない訳ではないことに気づいた。磨けば、得意なことは伸びることに喜びを感じた。
「このマインドがあれば転職できるかもしれない」
やっと転職の決意を固めた私は、母校である専門学校に教員として転職した。卒業生であることも高じて、あっさり転職活動は終わった。
本当は「マーケター」に転職したいと思っていた。学校に転職する気持ちは微塵もなかった。しかし、「地方」で「フルリモート」で「正社員」を求めていた私に、未経験の転職先はなかった。
しかし地元に帰ろうとは決めていたので、やむなく当てを探した先が「専門学校の教員」だった。
自分のコミュニティ運営の経験や、前職の経験も活かすことができると思い、とりあえずやってみようの気持ちで始めたのだ。
しかし、18歳くらいの年下の学生たちをどう扱えばいいのかは正直わからなかった。転職して1ヶ月後には新入生のクラス担任を持っていた。学校内のイベント運営をしなければならなかった。
正直戸惑ってばかりだった。幸いにも、学生時代の記憶を辿ればなんとなく年間のスケジュールはわかるのだが、裏の先生方の準備はもちろん知らないので、何をどうしたらうまくスタートを切ることができるかわからなかった。
クラス担任はクラス内のマネジメントはもちろん、学生個々の特性を理解して接しないといけない。前職で後輩育成の経験はあったが、マネジメントの経験はない。自分が「いて欲しかった」上司をイメージしながらトライアンドエラーをひたすら繰り返していた。
失敗もあった。しかし失敗する相手は学生だ。いろんな思いを抱えてきてくれた学生に、うまく接することができない日も続いた。
わたし、もしかしたら向いていない?と何度も思った。
前職の経験が活かされることは少なからずある。けれども、やっぱり未経験が多い。相手は学生なので、体系化した明確なマニュアルがある訳でもない。今まで自分は機械を相手に、マニュアルがある中でひたすら納品を繰り返し、その中で工夫を凝らしてきた。今は違う。自分の直感や学生時代のわずかな感覚、そして後輩育成で培ったコミュニケーションをフルに活かした。
授業作りにも苦戦した。大人数人相手に機械の操作説明はしたことはあるが、数十人相手に授業をしたことはない。しかも私の学生時代より1回の授業時間も長い。完全に未知の領域だった。
一時、授業をやることが怖いと思うこともあった。どうやって学生の興味を引くのか、授業の内容で絞り出すことができないくらい追い込まれていた。授業を先生方に見られることも怖かった。指摘されるのも怖いと思っていた。
前職に残る選択肢をすれば、こんな思いはしなくてよかったのかもしれない。
そう過ぎったことも何度もある。今までのセオリー通りにできていた経験に実は甘えていたのかもしれない。コンフォートゾーンから抜け出したいと選択をしたけれど、これは完全にデンジャラスゾーンだ。前の仕事だったら毎日外勤の仕事があって刺激的だったのに。自分一人の作業時間があって落ち着いたのに。機械を納品するの楽しかったなあ。なんでやめちゃったんだっけ?
もしかしたら、辞めたのは間違いだったのか?
後悔が募った。
同時に、「このままじゃ自分はダメになる」とも思った。
一念発起し、考え方を変える努力をしようと思った。
「目の前にいる学生たちのためにできることはなんだろう?」
「未来の入学してくれる子たちにどんなことを伝えられるだろう?」
「もっといい授業をするためにはどんなことから始めよう?」
「学生が活躍する場所を増やすことはできないだろうか?」
捉え方を変えて、ひたすら行動した。
気づいたら、前職に戻りたい感情は消えて、目の前のやるべきことに真正面に向き合うことができた。
先述したキャリアスクールSHElikesでは、さまざまな職業スキルを学ぶことができたり、イベント運営などで自分の学びをアウトプットすることができる。
私はコミュニティプランナーとして、この3ヶ月イベント作りに全力に向き合った。本業で感じたこと、受講生として感じたことをイベント作りに活かした。イベントの作り方を学んだことで、日々の授業や学校のオープンキャンパスにも活かすことができている。
そのほかにも、ブランディングやマーケティングは業務として関わらなくてもフレームワークや考え方は大いに役立っている。
マーケターにはなれなくても、その知識は奪われることなく活かすことができた。
「学ぶと働く」の循環が出来始めたことで、私は変化できた実感が湧いた。学生と向き合う中で新しい夢もできた。SHElikesと同時に、新しい学びを始める予定だ。
まだ、苦手なことはある。
でも、得意なことはとことん伸ばせば自分の「らしさ」になる。
「らしさ」を作るのは、経験だ。いい経験も挫折した経験も、乗り越えた先に必ず勲章になる。
本当にすごい人は、そのサイクルを何度も繰り返し、止まることはない。
変わりたいけど変われないと思っている人は、きっと変われると思う。
ただ、本気で「何か」を変えなければならない。
その何かを探すために、常に行動し続けるのだ。
何度もぶつかることがあっても、それは絶対あなたの経験になる。
動かせないものより、自分の手で動かすことのできるものに目を向けよう。
行動は、知識は嘘をつかない。誰にも奪われない最高の財産だ。
転職は正義でも偉いものでもない。ただ、転職して自分を変化させたいと思ったら、行動から変えよう。
私自身、転職後に大きく変化はしたが、小さな変化の積み重ねがあってこそである。その小さな変化は、転職前に積み上げた自信だ。
どんなキャリアの選択も、自分で正解にしてみせよう。
だってあなたの人生だから、正解にするのはあなたにしかできない。
その小さな光を見つけるために、腹を括ってでも行動するしかないのだ。