I have・・・ 傷を着飾り、自分を解放する
乳がんの手術でできた傷は、消えることはありません。
お風呂に入る時も、着替える時にも目に入り、自分が「乳がん経験者」であることを自覚させられます。
時間と共に心の傷は少しずつ癒えてきますが、傷が全く気にならないと言ったら嘘になります。手術からもうすぐ2年も経つのに、時々傷口がちくちく痛んで私を少し不安にさせることがあるのです。
カウンセラーとして活動を始めて、Instagramでいろいろな乳がん関係者をフォローして見ていたら、「I have…」という、乳がん経験者の傷をペイントして撮影する初イベントのモニター募集の文字が目に入り、直感でピンときたので撮影会に参加してきました。
とはいえ、上半身のヌードなんて大丈夫なのか…と散々迷って、ものすごく勇気を振り絞って、緊張した状態でスタジオに入ったのですが、
先に撮影していた3人のペイントがものすごく綺麗で、とても楽しそうに撮影していたので緊張が一気にほぐれました。
カメラマンの女性ですら軽く脱いでいて、むしろ服を着ている自分の方が違和感(笑)
ペイント中も、メイクさんが好きな色を聞いてくれたり、私の好みの音楽をかけてくれたり。
撮影中はカメラマンさんが、たくさん褒めながら導いて下さり、堅かった表情もどんどん柔らかくなってきて。
そして、モデルさんは全員乳がん経験者なので、傷を見せ合いつつ治療の話をして、ペイントを褒め合って、すぐに距離が縮まる経験も不思議で楽しい時間でした。
最後一緒に撮らせてもらい、「お互い頑張ったね」と非言語で労う感覚があり、何とも素敵な空気感の中撮影終了。
経験者の方々と良い交流ができ、綺麗に撮っていただき、非常に良い思い出になりました。
乳がんの傷を見せたのに、こんな幸せな気持ちになれるなんて。
傷跡を見るたびに少し嫌な気持ちになっていたのが、この撮影後からほぼなくなりました。
素敵な機会に心から感謝しています。
本当は写真をたくさん載せたいのですが、顔を含むヌードはいろいろとリスクがあるので、こちらだけ(Instagramにはもう少し載せています)。
私と会う機会があったり、カウンセリングでお話する機会がある方には見せますので、興味がある方はぜひ聞いてくださいね。