コーヒーと乳がんについての私の考え
今の私は、「カフェインフリー」をベースにたまに楽しんでいます。ですが、告知後〜術後半年くらいまでまではほぼカフェインフリーでした。
コーヒーと乳がんについては様々な意見があるので、簡単にまとめながら私の意見をお伝えします。
ポジティブな見解
閉経後乳がんの発症率が低い論文が多い
2020年スペインでの約1万人の女性で検討したところ、閉経後女性では、コーヒー摂取量が1日1杯より多い女性は1杯以下の女性と比較して、乳がん発症率が低かったそう。しかし、閉経前女性では有意な差は認められなかったとのことです。
(European journal of nutrition. 2020 Dec;59(8);3461-3471. doi: 10.1007/s00394-020-02180-w.)
2013年に行われたメタ分析(複数の研究結果をまとめて分析)では、コーヒーと乳がんの関連は無かったこと、そしてやはり閉経後の女性にはリスクを減らす可能性があることを発表しています。
再発予防に寄与する可能性
2015年のスウェーデンの研究チームから以下の発表がされ、注目されました。
タモキシフェンを飲んでいる身として、これは結構興味深いと思います。
ネガティブな見解
発症率上昇の報告も
古い論文ですが、コーヒーを飲みすぎると乳がんが増えるという報告もあります。アメリカの約4万人の研究で、全体としてコーヒー摂取量と乳がんに相関はなかったものの、乳房の良性疾患がある場合、1日5杯以上摂取すると、1杯未満に比べてホルモン受容体陰性乳がんが68%増加するというものです(Arch Intern Med2008.10)。
関係ないという報告
さまざまな論文をまとめて解析すると・・・
2021に発表されたメタ分析によると、研究結果はまちまちですが、総合的な証拠はコーヒー摂取と乳がんとの関連性がないことを示唆しています。
また、同じホルモン依存性がんである卵巣がんでも同じような見解になっています。
カフェインの事実から検証
カフェインの体内での代謝
ここまでみると、コーヒーを飲む方が良い気がしてきます。
しかし事実として、コーヒーに含まれるカフェインは、肝臓の酵素であるシトクロムP450の働きを阻害することが分かっています。
エストロゲンは、この酵素によって代謝されます。そのため、カフェインが摂取されると、肝臓でのエストロゲンの代謝が遅くなり、エストロゲンの血中濃度が上昇する可能性があります。(お酒も同様に)
また、カフェインは胃腸への影響(胃から食道への逆流をしやすくする、胃酸の分泌を刺激する)や、
糖代謝への影響(アドレナリンを分泌して血糖値を上げやすくする)
という作用もあります。
脂肪燃焼や抗酸化作用といった良い作用もあるのですが、その効果を享受できる状態の身体なら良いものの、できない人は排除すべきかなと思います。
これらを踏まえた上での私の考え
エストロゲンは肝臓で分解されるため、私のようなホルモン依存性の乳がんは、肝臓を元気にしておきたいところ。
肝臓のP450酵素を元気にするのは、ビタミンB群やビタミンC、亜鉛、マグネシウム、セレン、銅などです。また、食事中のタンパク質もシトクロムP450の機能に重要な役割を果たすので、適度なタンパク質を含む食事を摂取することも重要。
また、再発予防として、高血糖から炎症になる可能性があるものは避けておきたいです。
治療の状況次第ですが、負の要素が多い気がします。
よって、私は上記の食事を意識して肝臓や胃腸を守った上で、コーヒーは時々楽しむ程度にしています。なんだかんだ、丁寧に豆から挽いたコーヒーやカフェラテ、美味しくて私は大好きです。
人によってカフェインの代謝能力も違いますし、身体の状態次第なのではないでしょうか。一概に良いも悪いも判断できないものだと思っています。
どうせ飲むなら、楽しんで飲んだほうがよっぽど身体に良いと思いませんか?