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ヘルスケア業界の巨頭、LLYとNVOの株の買い売りに関するタイミングや買い方についての見解の詳解

次の記事は、個人投資家の皆さんが「ノボ・ノルディスク(NVO)の株を買うか売るか」「イーライ・リリー(LLY)との比較はどうか」を判断する際に役立つよう、なるべく噛み砕いてまとめたものです。

糖尿病や肥満治療薬という巨大市場の行方を理解しながら、どれくらいの量を買うのか・どちらの銘柄を特にウォッチすべきかなど、投資判断のヒントを提供します。LLYとNVOは、特に投資家に注目されており、2024年に大きな利益を出しただけでなく、長期的な米国肥満肥大化の解決に欠かせないストーリー銘柄として既に確立された地位を持っています。


1. 今起きていること:NVOがリラグルチドの“排除”を求める理由

• リラグルチド(Victoza/Saxendaなど)とは?
ノボ・ノルディスク(NVO)が開発した、2型糖尿病や肥満治療に使われるGLP-1受容体作動薬の一種。体重管理効果も期待できるため、高価格で販売されやすい“稼ぎ頭”です。

• FDA(米国食品医薬品局)への働きかけ
リラグルチドがFDAの「医薬品不足リスト」に入っていることで、調剤薬局(コンパウンディング)による安価なコピー薬が流通しやすい状況です。
NVOは「リラグルチドには公認ジェネリック(Teva製など)がすでにあり、コンパウンディング薬は臨床上の必要性がない」と主張し、FDAに「リストから外してほしい」と要請しています。

ねらいは?
安価なコピー薬が増えるのを抑え、高収益を維持したいという企業戦略が背景にあります。糖尿病・肥満治療薬は世界的に需要が拡大しているため、一度市場シェアを大きく奪われると、莫大な利益を失う可能性があるのです。


2. なぜ投資家にとって重要なのか?

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