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今年前半に聴いた音楽の話

 今年も折り返しをすぎて一月経とうというところ,タイトル通り今回は今年前半で聴いた音楽を垂れ流しする回です。特に今年にリリースされた曲だとかの縛りはないので,ゆるりと読んでいただければ。一つでも刺さる曲があればいいなと思います。

Chronicle A / Empty Old City

 今年の前半は間違いなくEmpty Old Cityを知ったことがトピックです。Empty Old Cityはボーカルのkahocaとコンポーザー兼プロデューサーのNeuronの二人からなるユニット。人類の一つ上のレイヤーから見ているような,少し浮世離れした独特のファンタジーな世界観を特徴としています。kahokaの声とエレクトロサウンドの相性も良く,没入感もあります。

 この「Chronicle A」はシンコペーション(?)を多用した独特の譜割りからくる推進力がクセになる曲。世界観も少し崩壊後の文明のようなディストピアぽさがあります。ちなみにこの曲は英語版もリリースされています。比較して聴いてみるのも面白くておすすめです。

アーバンクルーズ / Empty Old City

 Empty Old Cityからはもう一曲。この「アーバンクルーズ」は彼らのデビュー曲になります。時にして約3年半前。

あの遊覧船の舳先で
潮騒の中私たちは
繋がりきった心臓で
何を思うだろう

Empty Old City 「アーバンクルーズ」

 特にこのフレーズがすべてといっていいほど刺さりました。歌詞の世界にはまだこんな単語の組み合わせがあるのか,と衝撃を受けました。この曲も「次回こそ全知全能で」なんてことからもファンタジーっぽい雰囲気。世界観が合う人にはかなりおすすめです。

水星都市計画 / R Sound Design

 浮遊感のある軽快なエレクトロサウンドが心地よい一曲。もうすぐリリースから4年経とうという曲です。R Sound Designは都会的なテクノサウンドを得意としたボカロPですが,時折ボーカルを立てた曲をリリースすることがあります。この曲もその一つ。ピコピコ感が強調するリズム感と韻を踏んだ歌詞が軽快感がクセになります。聴き心地が重くないのでよく朝に聞いていました。

ブルベ、恋をする / R Sound Design

 R Sound Designからももう一曲。こちらは本分(?)のボカロ曲です。夏の淡い恋心を描いた甘酸っぺぇ……,な曲。ちょっとベタなところもあるけど夏の切り取り方がうまいなぁ……と歌詞に関心しきりです。「冷えたサイダーに酔っぱらって,」のワンフレーズだけで,たぶん中高生だなーとか気分の高揚度合いや,それでいて平静を装っているような場面を思わせるのはすごいなと。以前触れたさよポニの「遠い日の花火」も夏の切り取り方はすごいのですが,「ブルべ,恋をする」はよりライトというか現代的な印象です。

Burning Friday Night / Lucky Kilimanjaro

 以前ちょっとだけ紹介した(3年前という衝撃)Lucky Kilimanjaroからは「Burning Friday Night」。2015年リリースの彼らの代表曲です。新曲をしばらく追いかけていて,どれも期待通りのいい曲ばかりだったのですが,ふと原点のようなこの曲に戻ってみるとハマって抜け出せない。「世界中の日常をおどらせる」というコンセプトに違わない体が勝手に揺れる曲。聴けばこの中毒性はお分かりいただけるでしょう。熱帯夜にクーラーの効いた部屋でこの曲をかけながらお酒飲んで小躍りするのが楽しいんだこれが。

 最新のリリース「かけおち」はこちら。私は少し古びた画質からサカナクションの「忘れられないの」のMVを思い出しました。曲も映像もいいのでぜひ。

プラトー/サカナクション

 2021年リリースの曲。リリース時からかなり好きだったのですが,ここのところヘビロテが進み見事「サカナクションで一番好きな曲」を更新しました(ちなみにそれ以前は「エンドレス」)。イントロの推進力のあるドラム,二番のベース→ギター→コーラスと徐々に迫力を増していく構成,そして最後の大サビのカタルシス,決して長い曲ではないのですが聴いた後の満足感は相当な大きさです。セトリを組むなら絶対最後に持っていく一曲。

キラッテラッテ/菅原圭

 続いて菅原圭から「キラッテラッテ」。「ブルべ,恋をする」と同じ恋する乙女の曲ですが,こちらはかなり情熱的。彼女は元々かなりエモーショナルというか,歌に感情がズドンと乗せて歌っており,それが魅力なのですが,この曲はかなりそれが強調されています。いわば彼女の声を浴びるための曲。複数回同じ歌詞が出てくるところがいくつかあるのですが,どれも一つとして同じ歌い方をしていません。こういう曲を歌えたら楽しいんだろうな……。

アメリカ民謡研究会 / だって壊れてるじゃんそれ。

 最後はこれ。こういう記事を書くときにはアメリカ民謡研究会を差し込まないと死ぬ病気なので……。不安感,焦燥感,無力感,行き場のない心のざわつきを感じろ。

 と,いうわけで色んな曲を並べてみました。どれか一つでも刺さったものがあれば,少しでもあなたの音楽の世界が広がったなら何よりです。
 以上,お納めください。


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