短歌集『竜宮の時間感覚 君となら箱の気体を キメてみたいな』
調子に乗って詠んだ恋の歌を集めました。短歌(57577)と都々逸(7775)が混ざっています。
01(短歌)
夜通話 終わったあとに
口角が上がってたこと
やっと気づけた
02(短歌)
逆向きに座れば車窓
君の見た一秒あとを僕の目が追う
03(都々逸)
愛を態度で
示していても
所詮、他人は
他人なの
04(短歌)
「バレたい」と「バレたくない」の中間で人のこころの不連続知る
05(短歌)
もう僕は急性の「君依存症」
多幸感から逃れられない
06(短歌)
異国まで瞬で行けちゃう僕たちは運命なんて手でいじれちゃう
07(短歌)
「蹴上や!」と蹴り上げた脚 脱げる靴
君の話に僕と花 えむ
08(短歌)
得ることが全てではない
見返りを求めぬ愛を与ふ難さよ
09(短歌)
竜宮の時間感覚
君となら箱の気体を
キメてみたいな
10(短歌)
ちゅんちゅんの朝まで通話してたから
夢でも君の個チャに「おはよう」
11(短歌)
無表情
君のえくぼを見るまでは
僕のユーモア出涸らしにする
12(短歌)
用もなく君とのチャット覗くから
君の「ひとこと」もう読み飽きた
13(短歌)
「下の名が好きじゃないんだ」
それならば好きになるまで「好き」と云わせて
14(短歌)
関心を表す「ふむむ」口に出す君のセンスに漏れ出る「ふむ」
15(短歌)
電話越し君の欠伸がうつること
隠そうとしておめめ潤う
16(短歌)
眠くない強がる君が欠伸する
電話の向こう
耳元5ミリ
17(都々逸)
君がおすすめしてくれた本
好きになるのは好きだから
18(短歌)
あした吹く風をおととい感じたい
どこ吹く風の今日の貴女よ
19(都々逸)
美の表現を集めてみたが、君は唯一ムニムニだ
20(短歌)
飼い主に褒めて欲しくてネズミ狩る
僕も健気な猫かもしれない
21(短歌)
シソ梅はシソから食べる主義の君
近づきたくて僕もそうする
22(短歌)
金色の留め具がついた真っ白のシャーペン顎にもの思う君
23(短歌)
語尾の「じゃん」
伝染ったことを指摘する
「ぐぬぬ」の顔をする西の娘
24(短歌)
人間は「考える葦」「思う壺」
なんでもいいけど、想い続ける
25(都々逸)
君がタメ語になった夏
この夜が長くもがなと思ひけるかな
26(短歌)
高齢の口元してる白オコジョ
怒った君が送るスタンピ
見出し画像:寝覚の床(長野県木曽郡上松町)=浦島太郎伝説が残る景勝地。筆者撮影。
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