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鳥を探しながら快晴の多摩川を散歩

散歩が気持ちが良さそうな快晴の日曜日。
都内で静かな所を歩きながら鳥を探そうと、早朝暗いうちに自宅を出る。

7時前、拝島駅に到着

目指すは、河口から50㎞程上流の多摩川。
駅からバスに乗り、5分ほどで河川敷に到着する。

多摩川河川敷はまだ日の出直後

都心と比べ、広々とした空。
ジョギングやサイクリングを楽しむ人と時折すれ違う以外は静かだ。
しかし、日が差さない河川敷はまだ氷点下の寒さ。
霜も降りている。
吐く息が白く、冷え切った空気に私の鼻が悲鳴を上げる。
しまった。ネックウォーマーともう少し分厚いダウンが必要だった。
暖かい太陽が待ち遠しい。
とにかく歩いて、身体を温めよう。
まずは少し南にある、野鳥観察スポットを目指す。

カワラヒワが出迎えてくれた

東京では冬に見られるカワラヒワ。
キリコロロと鳴き、群れで行動している。
カワラヒワさん、お帰りなさい。
今季初めて見ることができた。

あ、ツグミ

まだ薄暗い中、ツグミがあちこち枝に留まっている。
ツグミも冬鳥。
先日都心での探鳥では見かけなかったけれど、ようやく日本に戻ってきてくれたんだね。

多摩川トライアングルに到着
イカルチドリが水辺で餌探し
(証拠写真)イソシギも歩いている

川辺で遠くのシギチたちを観察していると、「ピピピ」と鋭い鳴き声がこちらに向かってくる。

カワセミ♂登場
どうやら狩りの真っ最中

この後も多摩川のあちこちでカワセミを見かけた。
このあたりは餌が豊富で住みやすいんだろうね。

多摩川トライアングルで少し過ごしたあと、来た道を戻って北にある羽村堰を目指し川沿いを歩く。
全行程7㎞ほどだ。
晴天の下の散歩はとても気分良い。

日が昇ってきた。背中があったかい

まだ日差しが弱い中、少し先の枝に小鳥が留まっているのが見える。

このシルエットはだれでしょう
正解はジョウビタキ♂でした

羽の白斑が目立つジョウビタキ。
枝に留まりながらプルルッと尾を左右に振る仕草が可愛らしい。
ジョウビタキは見晴らしの良い所に留まるのが好きなのか、逃げても見つけやすい。

ね、目立つところに留まってくれる
足元にはメスを追いかけるハクセキレイ♂

多摩川べりを歩いていると、野鳥たちだけでなく紅葉も目を癒してくれる。

朝日に照らされる紅葉
錦色の山が綺麗
イチョウも紅葉が進んでいる

散策路のあちこちに、野鳥を紹介する看板が建てられている。

色んな鳥が住んでいるんだね

身近に野鳥たちを感じられる羨ましさ。
仕事がひと段落したら、こういうところに住んでみたいな。

朝日に照らされるカラス

真っ黒カラスは撮るのが難しいが、日光の当たり具合で可愛い顔が撮れたりする。
嫌われ者だけど、あどけない顔をして案外臆病者のカラス。
私は嫌いじゃない。

ムクドリさんはやっぱり綺麗に撮れない
シジュウカラが元気にさえずっている

川べりの藪から一際大きな鳴き声が聞こえる。

ガビチョウが鳴いている

外来種のガビチョウ。
中国で「塗られた眉」という意味の「画眉」が名の由来だ。
歌が上手でウグイスの物まねなどができる芸達者だが、特定外来生物で害鳥扱いのガビチョウ。
騒音扱いされて何だか可哀そうだ。

あ、気づかれた

川が見渡せる所に出る。
河川敷の藪にも小鳥たちがたくさんいる。

川の見える枝に誰か留まっている
アオジだ

アオジもまた、冬に見かける鳥だ。
冬鳥たちがどんどん増えているのが嬉しい。

再度カワラヒワ♂が登場

よく見ると風切り羽の白色がカワラヒワより太い。
オオカワラヒワなのかなあ。
どちらにしても可愛いから、気にしないのだけど。
羽に黄色い差し色があるカワラヒワ。
頭がオリーブ色で顔周りが黒いオスと比べて、メスは色が薄めだ。

カワラヒワのオス(左)とメス(右)
メスに文句を言っているように見えるオス

さらに先へ足を進める。
道端から視線を感じる。

あら、ネッコ

毛並みが綺麗だから飼い猫のようだ。
ニャーニャー鳴く猫の声に交じり、「ヒッヒッ」と鳴き声が聞こえる。
声のする方へ目を凝らしてみる。

ジョウビタキ♂が再度登場
口から白いペリットを吐き出した

ペリットとは、消化できなかったものを口から吐き出したもの。
野鳥たちは餌を噛まずに丸呑みするから、消化できなかったものが体に溜まらないよう定期的に吐き出す必要がある。
人間のように嘔気を伴わず、唾を吐くようにペッと吐き出す彼ら。
生きていく上で色んな術が必要なんだなと感じる。

お腹すっきりしたかな?

羽村堰が近くなり、河川敷が徐々に狭まり歩道が多摩川に近づく。
ふと、川を眺める鳥がいるのに気付く。

再びツグミ

このツグミはやせ細っている。
この時期にシベリアから渡ってくるツグミ。
長い渡りを終えたばかりで疲れ切っているのかな。
冬の間、日本でゆっくり体を休めて体力つけてね。

留鳥カイツブリは元気

この辺りの多摩川の水は澄み、潜るカイツブリの様子まで見える。

どこにカイツブリがいるでしょう
正解はここ
橋の上から大きい魚も見える
羽村堰に到着
コガモたちが羽を休めている

ここまで歩くこと4時間、7㎞超。
羽村堰のいつもの水辺で休憩しようと考えていた私を悲報が待ち受ける。

何と!護岸工事が始まっている
考えてみたら、このあたりの舗装はボロボロだった

来年3月までの間この辺りに重機が入るということは、ここでの野鳥観察がしばらくお預けということか。
仕方ない。川岸が綺麗に生まれ変わるのを楽しみにしよう。
岸でなく野鳥たちがいる茂みを眺めながら、遅めの朝食としておにぎりを食べる。

この日は休日だったお陰で工事はお休み。
野鳥たちは逃げることなく姿を現してくれた。

以前も見かけたトンビ
食べているおにぎりを狙われている気がしてドキドキする
モズ♂も健在
ここにもカワラヒワの群れ
枝越しにホオジロ♀
ホオジロ♂も姿を見せてくれた
晴天が本当に気持ち良かった

この日はずっと快晴で、太陽が昇るにつれて暖かい陽気になった。
清々しい景色を見ながら歩いているだけでもストレス解消になるが、野鳥たちを探しながらの散歩はワクワクドキドキがありとても楽しい。
彼らの可愛い写真を撮れた時は達成感だけでなく、幸せホルモンが出ている気もする。
楽しい時間に、心の疲労はいつの間にか消えて元気になっている。

来週以降は仕事でしばらく探鳥はお預け。
まだ昼前だが、電車が混む前に帰ろう。
印刷をお願いしていた年賀状も受け取りにいかなきゃ。
多摩川を後にする。

アオサギがお見送りしてくれました


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