秋晴れの新宿御苑でプチ鳥見
快晴となった日曜日。
少し遠くの公園にバードウォッチングに行こうと計画していたが、急激に寒くなったせいか久しぶりに腰を痛めてしまった私。
朝から清々しい青空に、家でじっとしているのはもったいないと新宿御苑行きを思い立つ。
2時間ほどの散歩なら腰は大丈夫だろう。
9時の開門に合わせ大木戸門から入り、玉藻池を通って風景式庭園を目指す。
木々をぬってヒヨドリがピーピーと騒がしく追いかけっこをしている。
都心でもったいないくらい広大な芝生がある風景式庭園。
緑に囲まれ静かな空間が広がり、都会の喧騒が遠くに聞こえる。
東京にいることを一瞬忘れさせてくれるこの場所が好きで、度々訪れている。
蚊の出ない秋から春にかけて、芝生に寝転んだり本を読んだりして過ごす。
最近は海外からの観光客が増え、落ち着けなくなりつつあるのが悲しい。
夏の間は留鳥も少なく、新宿御苑から足が遠ざかっていた。
鳥がいるか中の池と下の池を回ってみるが、マガモとカルガモ、コサギくらいで水鳥は少ない。
いつも悠々自適なアオサギ。
カメラを向けても全然気にしない。
この子は目の後ろの黒帯が無いからまだ若いのかな。
大人顔負けのコワモテだ。
アオサギは、恋の季節になるとクチバシと足が赤色(婚姻色と呼ぶらしい)に変わる。
人間だと下心丸見えで恥ずかしいだろうな。
池にはツグミが水を飲みに来ていた。
ツグミを見ると、冬が来たなあと実感する。
地味な鳥だけど、地面を「だるまさんが転んだ」のようにトコトコ走ってはピタッと立ち止まる様子が可愛らしい。
観光客が集まるところを避け、森の中を歩きながら鳥の声を聴き逃すまいと耳を澄ませる。
遠くでキイキイ鳴いているのはモズかな。ギィーッとコゲラの声も聞こえる。
朝晩冷え込むようになったけれど、新宿御苑の紅葉はまだこれからのようだ。
木の葉が落ちだし、少しずつ鳥が見えるようになってきた。
森の中に、柿のような実をたくさん実らせた木を見つけた。
近くのベンチに腰を掛け、鳥が来ないかしばらく待ってみる。
2羽ほどやってきたメジロ。
まだ実が固いのか、何度かつついてすぐに飛び去ってしまった。
ベンチからじっと見上げていると、「何か来ましたか」と高齢男性のバーダーさんから声をかけられる。
もう数日、実が熟してきたら鳥が集まるんでしょうねえと立ち話。
彼から「アカゲラとウソを見かけましたよ」との情報もいただいた。
休日は昼が近づくにつれて訪れる人がどっと増える新宿御苑。
人が増えれば小鳥たちは隠れてしまう。
私の腰のタイムリミット、2時間が迫る。
今回アカゲラもウソも見つけることはできなかったが、次回の宿題と思って御苑を後にする。