海の見える公園で探鳥:秋桜とジョウビタキ
(捕食シーンあり、虫が苦手な方はスルーしてください)
11月になり、風邪の患者さんが増えて毎日が忙しくなった。
帰るとぐったり。休日も1日中ゴロゴロしたい誘惑にかられる。
晴天となった休日朝。
次の休日は雨予報なので、探鳥に出かけるとしたら今日しかない。
疲労は残っているけれど、1か月ぶりにいつもの公園に行ってみよう。
海も緑も楽しめるこの公園。
広い海を見て、心の疲れを取ろう。
海を見てから野鳥園に向かおうと歩く私の耳に、木を力強くつつくドラミングの音が聞こえる。
コゲラにしては音が大きいなと、木に近づいた私の目の前をシュッと小鳥が横切る。
このジョビ子さん、全く私を怖がらない。
枝を飛び移り、何か獲物を狙っているようだ。
動かず、静かに見守る。
彼女がすっと地面に舞い降りる。
ジョビ子さんはムカデをまるのみ。
朝一番はお腹が空いているんだろうね。
好奇心旺盛なのか、どこのジョウビタキも人間を見てあまり逃げない気がする。
お陰でゆっくり姿を楽しむことができた。
木をつついていた鳥は逃しちゃったけれど。
この日の日の出は6時16分。
空は雲交じりのせいか暗めだ。
海辺を歩いていると、雲の隙間からこぼれる日差しが見える。
上の池には留鳥だけでなく、少しずつ冬鳥が増えている。
池のほとりでオオバンファミリーが餌を探している。
左のオスは換羽中のエクリプスのようだ。
冬にかけてここで過ごしながら鮮やかな姿に変化していくのだろう。
楽しみだ。
カモたちが陸に上がっているのを知らずに岸に近づいた私。
カモたちを驚かせてしまい、彼らが一斉に沖に逃げ出した。
朝から驚かせてごめんね。
朝食を食べずに出てきたので、私のお腹が鳴り出す。
干潮時刻の10時までまだ時間はたくさんある。
晴れてきたし、池をみながら朝ごはんにしよう。
休憩後、海辺を歩く。
いつもの留鳥たちが、潮が引いた海を歩き餌を探している。
留鳥たちの横で見慣れない鳥が目に入る。
1か月前にも西なぎさで見かけたホウロクシギ。
日本には春夏立ち寄る旅鳥だったと思うけど、ここに住み着いたのかな。
空を見上げた私の眼に、遠くから飛んでくる鳥が入る。
お腹が白く、トンビではなさそうだ。
タカの仲間のサシバ。
まだ出会ったことが無い。
近づいてくることを期待したが、手前でくるりと旋回し飛び去ってしまった。
今度は近くで見られると良いな。
9時になり、西なぎさへ渡る橋が開門する。
橋の近くで泳ぐ冬鳥を発見する。
派手な冠羽が特徴のカンムリカイツブリ。
カイツブリの仲間で潜水を得意とする。
カメラを構えてもすぐに潜ってしまい、ファインダー越しだと見失ってしまう。
すぐにフッサフサに乾く冠羽。
撥水効果抜群だ。
西なぎさはこの日、バケツを持った人があちこちを歩いている。
これではシギチは逃げちゃうなあ、とあきらめ気味の私の前にまたもホウロクシギが降り立つ。
このホウロクシギ、かなり人馴れしているようだ。
近くを人が歩いていてもどこ吹く風。
落ち着いて餌を探している。
私たちに馴染んでくれるのは嬉しいが、仲間とはぐれたのではないか心配になる。
人が多い悪条件の中、私の目の前に一羽が舞い降りてくれた。
メダイチドリと似ているが、首を1周する白い羽が見えるからシロチドリのようだ。
シロチドリさん、初めまして。
シロチドリは私を警戒し、遠くへ走り去りつつ時折ちらっとこちらを振り返る。
動かずに見守る。
カニを咥えたシロチドリ。
カニの攻撃を避けるためか、ふっと首を振った瞬間カニが飛んで行った。
ごめん、ごめん。
だって可愛いんだもん。
しばらくしてシロチドリは飛んで行った。
4時間ほどの散歩で出会った野鳥たち。
今日も皆いきいきとしていた。
元気な野鳥たちと園内の景色にすっかり心の疲れも取れている。
さあ、自宅に帰って3日分の食事の準備をしなきゃ。
公園を後にする。