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甲府旅③:庭園が美しい常盤ホテルへ
甲府旅の3つ目の目的であるホテルは、今回で2回目の宿泊となる。
前回は2022年11月。サッカーワールドカップで盛り上がる中、コロナ対応で疲れた身体を癒そうと旅行を計画した。
全国あちこち訪れるきっかけ作りに「全国一の宮巡り」をしている私。
まだ訪れていない甲斐國一の宮である浅間神社に行こうと思い立ち、山梨行きが決定した。
ホテルは「そのついで」だった。
常盤ホテルは約90年前に開業し、将棋の竜王戦・王座戦が開かれることで有名だそうだ。
天皇陛下も来訪されたことがあるらしい。
そんな前情報も知らずに訪れた私。
コロナ真っただ中で外食も旅行も今より制限されていたせいか、ホテルの人たちの温かいおもてなしにすっかり癒されてしまった。
いつもはビジネスホテルで大満足(ドー〇ーインがお気に入り)だが、今回は自分への誕生日プレゼントとして常盤ホテルを予約した。
常盤ホテルの魅力の一つは立派な日本庭園。
エントランスを入った私たちを、綺麗に手入れされた庭園が迎えてくれる。
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ホテルと名は付くが、部屋は畳の香りが漂う和室が中心。
ドアは開き戸にアナログな鍵。旅館を思わせる雰囲気だ。
建物は決して新しくはないが、手入れが行き届いている。
部屋からは庭園だけでなく富士山も見ることができる。
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常盤ホテルのもう一つの魅力は、スタッフの皆さんが笑顔で優しいこと。
ほっとかれず近すぎず、程よい距離感がありがたい。
一人旅でも寂しい思いをせず、温かい声掛けに居心地よく過ごすことができる。
そして地元の特産がふんだんに使われたお料理も、とてもおいしい。
個室なのでマイペースで食べることができる。
量も50歳の私のお腹にぴったりおさまる。
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常盤ホテルが位置する湯村温泉は開湯1200年。信玄の湯とも呼ばれている。
大浴場は露天風呂も含めて清潔でとても快適だ。
無料の湯上りアイスや麦茶が火照った体を冷ましてくれる。
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庭園を眺めながらの静かな時間。
小鳥達がたくさん訪れ、私の目を飽きさせない。
明るいうちは本を読みながら、夜は甲州ワインを飲みながら、ゆっくり過ごす。
夕食を終えた部屋にお夜食が差し入れられており、心遣いが嬉しい。
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甲府は海外の観光客が少なく、オーバーツーリズムに巻き込まれることなくゆったり時間を過ごすことができる。
盆地育ちの私にとって、周囲を山に抱かれる甲府盆地の景色は心を落ち着かせてくれた。
最近は全国チェーンのホテルや外資系のホテルが台頭しており、どこに泊まっても画一的サービスが受けられるようになった。ロボットが接客するホテルまで現れている。
そんな中、常盤ホテルのようなちょっぴりレトロで温かみのある老舗ホテルは貴重だと思う。
好き嫌いが別れるのかもしれないが、私はこれからも常盤ホテルを自分のご褒美リストに残しておきたい。