北風強い新宿御苑で野鳥観察:ハシビロガモとツグミたち
北風強い曇天の朝。
依頼された講義の準備のために、新宿の紀伊国屋書店で本を買おうと思い立つ。
開店は10:30。1時間ほど時間つぶしにと、書店から近い新宿御苑に行った。
この日の東京は3度だったが、北風が強く体感温度は0度以下。
開園直後の園内は人影まばらだった。
最近の新宿御苑は、台風でダメージを受けた木だけでなく、カフェなどを作るために多くの木が切られ、野鳥が過ごせるエリアが減っている。
またコロナ禍は静かだった園内も、海外から大勢の観光客が訪れるようになった。
そのせいか、以前より新宿御苑で野鳥を見る機会が減ったように感じる。
寒くて天気の悪いこんな日の方が、野鳥に出会えるのかな。
いつもの池のエリアを目指す。
大人のアオサギは恐竜顔。
この子は目がクリっとしてあどけない顔をしている。可愛いなあ。
さすがの鳥達も北風が寒そうだ。
マガモの群れの中に、一回り体の大きい鳥が混じっている。
幅広いクチバシが特徴のハシビロガモ。
その大きなクチバシで水を吸い込み、プランクトンを漉し取って食べている。
食べる物に合わせて形を変えてきた鳥たちのクチバシ。
生き残るため、長い期間を経て進化した結果なんだなあと興味深い。
ハシビロガモのオスは羽がカラフル、顔はコワモテだ。
夏とは対照的、冬の池は水鳥達で賑わっていた。
園内は渡り鳥のツグミが増えてきたようだ。
この日は風が強いせいか、小鳥は余り飛んでいない。
森のエリアに足を伸ばす。
カメラを構える前に、ウグイスが目の前をシュッと飛んで行った。
君たち、いつもすばしこいなあ。
キセキレイは、ハクセキレイやセグロセキレイよりも水辺好き。
お尻をフリフリ、見ているだけで可愛らしい。
鳥がお尻をふるのは警戒の表れという説があるが、その理由はよく分かっていないようだ。
常に敵から逃げられるよう、準備運動でもしているのかしら。
水辺にツグミの群れが水を飲みに来ていた。
入れ替わり立ち代わり、木の枝から水面に降りて水を飲んでいる。
水を飲んだ後は「だるまさんが転んだ」のポーズでピタッと止まる。
遠くからこっそり見ているうちに、あれよあれよとツグミの数が増える。
水辺に集まる7羽のツグミ。
ん?左に1羽違う鳥が紛れ込んでいる。
ツグミとシロハラは、同じスズメ目ヒタキ科ツグミ属。
シロハラの英名は「Pale Thrush:淡い色のツグミ」だそう。
ツグミと喧嘩することなく、群れに馴染んでいる。
先日のカワラヒワとアトリのように、これまた親戚同士で群れを作って行動しているようだ。
ツグミも可愛いけれど、シロハラの方が目がまんまるで愛嬌あり可愛らしい。
北風吹き付ける中、今日も色んな鳥に出会えた。
彼らの可愛らしい姿に心はホクホク、しかし身体はすっかり冷え切り「早く、暖かい本屋に行こうよ」と誘っている。
かじかむ手でカメラを鞄にしまい、公園を後にする。