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私の奈良旅②:長谷寺と野鳥たちにヘビ
「長谷寺の近くにヤマセミが住んでいる場所がある」
奈良旅行の下調べ中にこの事を知った私。
ヤマセミは蝉でなく鳥の一種。
カワセミの仲間で、カワセミより一回り大きく白黒入り交じる美しい鳥だ。
山奥の渓流に住み、警戒心が強くなかなか出会えない鳥として知られている。
ところが、長谷寺から一駅先にある公園にヤマセミが住みつき、たびたび姿を見せてくれるらしい。
会える確率は低いだろうが、どんなところか行ってみたいな。
旅の2日目は長谷寺のある奈良盆地の南東方面で決定する。
朝一番でホテルの朝食を摂り、JR万葉まほろば線で桜井駅を目指す。
車内は通学中の生徒で賑やかだ。
桜井駅で近鉄大阪線に乗り換え、三重県境の山奥へ向かって走ること3駅、榛原(はいばら)駅で下車する。
目指す公園までは駅から上り坂を歩いて30分。バスも一日に数本しかないので、ここはタクシーの力をお借りする。
約5分、1000円ほどで公園に到着する。
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この公園はキャンプやバーベキューができるようになっている。
平日早朝から訪れる物好きはいないようだ。
施設の開館は9時だが、野鳥がいそうな場所は入ることができる。
人気のない川沿いを歩きだすと、早速目の前にシュッと一羽の鳥が留まる。
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初めまして、エゾビタキさん。
大きさは15㎝と小柄。
秋に日本に立ち寄る旅鳥だ。
日本で栄養補給を済ませ次第東南アジアへ旅立ってしまい、この時期しか見られないそうだ。
可愛いなあ。
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こちらに気づいたエゾビタキ。
プイッとどこかに飛んでいった。
すでに満足気味だが、ヤマセミを探して宇陀川沿いを歩く。
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水辺を好むキセキレイ。
あちこちでキセキレイ同士が喧嘩している。
縄張り争いしているのかな。
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水鳥たちが集まっているってことは、魚がたくさんいるのかしら。
食事を終えたのか、彼らは狩りをするでもなくのんびり羽繕いしている。
ふと園内の建物を見上げると、一羽留まっている。
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つるっとしたシルエットのイソヒヨドリ。
暗くて青いオスか、茶色いメスかわからない。
多分メスだろうけど、とりあえずおはよう。
イソヒヨドリだけど海無し県にもいるんだね。
もはや「イソ」ヒヨドリではないなあ。
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週末はファミリーで賑やかなのだろうが、この日は月曜日。
一組キャンプしていた以外は静まりかえっている。
森の中で空気が美味しい。
今度はおにぎりを持ってこようかな。
山の方に近づくと「ピーッ」と大きな声と共に、シカが逃げていった。
もう、びっくりさせないでよ。
シカがいるということは、クマもいるんだろうか。
あまり山に深入りはしない方が良さそうだ。
川に戻る私の目の前の枝に、またエゾビタキが現れる。
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ヒタキ科の小鳥たちって、どれも目がクリっとしてとても可愛い。
軽い身体は、細い枝に留まってもしならない。
しばらく留まってくれていたが、餌を見つけたのかプイッと飛んでいった。
公園を沿うように流れる宇陀川の水は澄んでいる。
ヤマセミは、ここで魚を捕らえながら生きているのかな。
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と、山の方から「キッキッキッ」と鋭い鳴き声が聞こえる。
も、もしや、ヤマセミ?
期待で胸が膨らむ。
移動する声を追って、水面に降りてくるのを待つこと15分。
茂みからポンと鳥が現れた。
すかさず、カメラを構える。
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ヤマセミかと思ったら、カワセミだった。
そうよね、そんな簡単にヤマセミに会えないよね。
ちなみにヤマセミの鳴き声は「キョッキョッ」だそうだ。
がっかりしかけたが、考えたらカワセミに会えるのもラッキーなことだ。
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このカワセミ、茂みでじっと30分以上佇んでいた。
こちらの存在に気付かず、リラックスしているようだ。
ちなみにヤマセミはこんな鳥。
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この日は9時を過ぎた頃から川沿いで重機がせっせと砂を運んでいた。
タクシーの運転手さんによると最近のゲリラ豪雨で川岸が崩れ、護岸工事が行われているとのこと。
この騒音だと、ヤマセミは出てきてくれないだろうな。
これからもヤマセミにとって住みやすい環境であり続けると良いのだけれど。
また日を改めてチャレンジしよう。
3時間ほど公園で過ごし、次の目的地である長谷寺へ向かう。
榛原駅から電車で一駅、長谷寺駅からお寺まで高低差のある道を徒歩15分歩かないといけない。
ここも時短にタクシーを使おうと、呼ぶことにした。
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公園からタクシーで15分、3000円ほどで長谷寺に到着する。
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長谷寺は8世紀頃に創建されたとされるが定かではないという。
創建当初は東大寺の末寺だったが、16世紀以降に真言宗豊山派の総本山として信仰を集めた。
観音霊場として、また「花の御寺」として知られ、多くの観光客が訪れる。
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1650年に作られたという本堂。
遠く見渡すことができて眺めが良い。
中にはご本尊の十一面観世音菩薩さまが納められている。
10mあるご本尊さま、どっしりとして見ごたえがある。
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本堂を出てさらに高い所に五重塔が建っている。
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長谷寺は季節ごとに花を楽しめるよう工夫されている。
花が美しい時期は込み合うお寺。
私は花の無い地味で静かな時期の寺の方が好きだ。
今回もインバウンドに出会わず、のんびりと静かな時間を過ごすことができた。
すれ違うお坊さんも笑顔で温かい。
本当はさらに山奥にある室生寺も大好きで行きたかったが、日が暮れてしまうので諦め、近鉄で桜井駅へ戻る。
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次の目的地は大神(おおみわ)神社。
大和国の一宮(いちのみや)だ。
全国一宮巡りもしている私。
一宮は、昔から各国の中で最も格式の高い神社として信仰されてきた。
長くにわたりその地域で生きてきた一宮。
どこも厳かな雰囲気を醸し出している。
お参りすると、背筋がピンと伸びる気がする。
大神神社へは万葉まほろば線で一駅だが、1時間に1本しかない。
待ち時間が惜しいので、桜井駅から大神神社まで山の辺の道を歩くことにする。
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あちこちに、山の辺の道であることを示す石碑が建てられている。
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葉が落ちる冬には小鳥がたくさん観察できそうだ。
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大神神社は日本書紀や古事記に記される日本最古の神社と言われている。
『古事記』によれば、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が出雲の大国主神(おおくにぬしのかみ)の前に現れ、国造りを成就させる為に「吾をば倭の青垣、東の山の上にいつきまつれ」と三輪山に祀まつられることを望んだとあります。
(中略)
「大神」と書いて「おおみわ」と読むように、古くから神様の中の大神様として尊ばれ、第十代崇神天皇の時代には国造り神、国家の守護神として篤あつく祀まつられました。
(中略)
現在も国造りの神様、生活全般の守護神として全国からの参拝があり、信仰厚い人々に支えられて社頭は賑わっています。
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参拝を終え、帰りの電車まで時間があるので境内のベンチに座って一休み。
目の前に大きな木がそびえ立っている。
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こちらは樹齢500年のご神木。
大物主大神の化身とされる白蛇が棲むことから名付けられたという。
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ヘビはお酒も好きなのかな。
ヘビの神様が飲みやすいよう、ワンカップ酒の蓋が開けられている。
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回収された卵やお酒はどうするのかな、と考えながらぼんやり眺める。
卵を割らずに回収するのが大変そうだ。
今日もあちこち歩き回り、私の足がもう止めてくれと言っている。
これくらいでホテルに帰り、ゆっくり大浴場で身体を休めよう。
そしてビールで喉の渇きを潤そう。
三輪駅から万葉まほろば線に乗り、奈良駅のホテルへ戻る。
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