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るびい(恋詩)


死ぬことのない金魚のうち、葉脈の詰まらない種だけを贈り物にした。だから記憶よりも近くにきてくれる。唄って派生する鰭に、鰓に、おいしい窒息の予感がする。

夕暮れのくつぬぎ。引き戸の内側にも、るびい、の影はもちこまれた。ここで喋ることは許されていないから、のひとことで閉じ込められた逃水に、異言語のひとはうつくしすぎる反射をくりかえす(くりかえす)。













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