花とか靴とか(短歌5首&解題っぽいやつ)
一生分の肥料を買った 花束の行方を追いかけている
オタマジャクシの陰を指さしきみはまた「そこにも夜がある」と笑った
子供だった レモンとライムがわからずに指さし間違え続けることの
藤波が桜の花を偲び咲くように誰かを悼みつづける
いつからか私の歩幅を駆け抜けた16センチのきみの上靴
〈解題なのかこれは!?〉
一生分の肥料を買った 花束の行方を追いかけている
子供の幼稚園登園がだいぶ先送りになり、親だけが登園して入学後の案内もろもろをもらってきました。そのとき、パンジーもいっしょに受け取りました。このパンジーは鉢にもとから入っていました。「息子さんといっしょに、毎日水をあげてくださいね」って園長先生が。ということは、肥料と土はこの小さな鉢植えに収まる分だけで充分だということです。
一生分の肥料を抱えて我が家に来たパンジーは、なんだか死ぬということにとても近づいているようです。今日も彼はベランダで咲いています。
オタマジャクシの陰を指さしきみはまた「そこにも夜がある」と笑った
暇すぎてオタマジャクシの飼育を始めました。影がいくつも机の上を漂っていて、上から水槽をじっと見つめていると、どれが影でどれが本体かわからなくなります。
子供だった レモンとライムがわからずに指さし間違え続けることの
もともとある方のツイートをみて、ぴぴぴときて作った歌です。レモンとライムを間違えることはもうありませんが、私はぱっと見でレタスとキャベツがわかりません。特に畑に生えているのとかもうだめです。レタスかキャベツか迷っていたら、挙句ほかの野菜だったこともあります。ちなみに昔、スーパーの鮮魚店で働いていた時は、しじみとあさりの区別がつきませんでした。一年間くらい働いてましたが、結局見分けがつかないまま退職しました。いまでもわかりません。よく妻に笑われます。「この味噌汁の具は……しじみ!」「馬鹿め、これはあさりだ!」
藤波が桜の花を偲び咲くように誰かを悼みつづける
藤の花びらって、よくみると桜の花弁にそっくりなんですよね。私の職場の中庭には藤の花が咲いています。土の上にはまだ桜の花びらが散っていて、なんか百合(GL)だなって思いました(なにが?)。
いつからか私の歩幅を駆け抜けた16センチのきみの上靴
歩き始めの頃はよたよた歩いてたのに、いまではもうダッシュしまくりな息子です。気付いたらずっと先まで歩いて行ってしまいます。仕事の疲れをひきずる父親を後目に、彼はどこまでも駆け抜けていきます。そのまま大きくなって、きっともう、今のことなんて忘れてしまうんでしょうね。時間のながれこえーなーって最近思います。二十代もラストだからでしょうか。こわい。
体調崩しまくりでしたが、なんとかかんとか五首詠んでます。最近、この五首まとめるのが好きで、このために五首ひねりだしてる気がしますね。
小説を一ヶ月に五万字、短歌はできるだけゆるく続ける、詩は…………おもいついたらやる。がんばります。生きるぞーーーーーーーーーーーーーーーーー!!! よかったらスキ!してくださると寿命がのびますーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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