劇団四季「ゴースト&レディ」東京千秋楽 配信感想
視聴しようと思ったきっかけは、たまたま流れてきた配信予告PV。
(現在はもう消えているみたい?)
去年、大好きなクレイジーフォーユーで大好きになった萩原さんが出演されてる!谷原さんの歌も気になる!
ということで視聴しました。
偉人を主人公にした古風な伝記物…と思いきや、ゴーストであるグレイのキャラクターがなんともコミカルで重すぎず、かといって都合良く進むコメディとも違って、そのストーリー展開のコントラストが面白い作品だった。
というか演出は外国の方だけど、もっと日本人の方が脚本・作曲をされているミュージカルだということを押し出した方がいいのでは?と思った(されていたのかもしれないけど、HPなどでは演出家押しに見える)。楽曲がどれも素晴らしかったし、翻訳された言葉ではない日本語としての真っすぐな威力が伝わって、国産ミュージカルとして誇るべき作品だと思った。
推しの萩原さん。ダンディーで、かつユーモアのある萩原さんの性質が、グレイにぴったりだった。譲れないラインには毅然とした態度を取りながら、自嘲した態度をとって見せたり、ちょっとしたことでムキになったり。緊張と緩和のお芝居・歌唱が本当に素晴らしかった。そしてその技術によって構築された、最後まで飽きないグレイとフローの関係性が良かった。
本当に、萩原グレイの全部が好きすぎた。カテコでの頬キスを期待する表情すら完璧だったのなに!?!?!?(声でか)あ~も~。
クレイジーフォーユーでの姿が好きすぎたあまりに、他の役じゃ満たされないのではと思っていたけど、そんなことなかった。萩原さんが演じる魅力的な役をもっともっと見たくなった。沼。
個人的に、ジョン・ホールのキャラクター性も面白かったなと思った。単純に悪役として退治されて終わる結末だったら、何も思わなかったかもしれない。でもクライマックスで、
この台詞を聞いた時、”あぁ、わかるかもな”と思ってしまった。悪役ではなく、人間としての疑問。自身にはない、自身の想像しうるラインを超えたところにあるものに対する恐怖心。尊敬の念に昇華できない、畏怖の心。今までフローに対して、グレイやフローの家族、エイミー、アレックス、誰もが問うてきた疑問。「なんでそこまで」。それを”恐怖”という形で正面からぶつけたジョンの姿が、自分には刺さった。
そしてそれに対するフローの解答は、歌詞・メロディー・歌声、全てが合わさって、強烈なエネルギーで圧倒した。フローの覚悟は、それほど真っすぐで、あまりにも力強かった。
自身の功績に縋り、自身の物差しでしか物事を測れないジョンへの、清々しい反撃。たった一人で全てを成し遂げようとしていたわけではない。フローは、自身の一歩から始まる希望を、信じ続けていたのだ。これまで何度も絶望してきた。そしてこれからもきっと絶望する。それでも、希望がゼロではない限り、その道を生きていく。それがフローという人間だったのだ。
あとフローがジョンに対し、はっきりと「あなたのせいよ 許しはしない」と言ったことで、自分はさらにフローが好きになった。フローが聖人のようにジョンに接していたら、それこそ恐怖を抱いていたかもしれない。1人で何もかも器用にうまくやれる人でもなかった。グレイに支えられ、ボブに支えられ、多くの人に支えられてここまでやってきた。そしてジョンに復讐してしまおうとした時も、グレイが止めてくれた。単なるお人よしでも天使でもない、そういうフローの、あくまで人間らしいところが自分は好きだった。
谷原さんの歌声、本当に凄まじかった。心底惚れてしまった。配信であんなに突き刺さるなんて、生で聞いたらどうなるのか…。機会があれば、是非今度は劇場で歌声を浴びたい。
自分は四季というとクレイジーフォーユーぐらいしか追ってないニッチなオタクだけど、今回CFYヒロインだった町さんも出演されていて、それも嬉しかった!しかもまさか萩原さんと並んでのダンスシーンがあったとは!お酒対決もしとる!裏切られたけど!!(笑)
町さんの華やかなオーラとかわいらしさと妖しさが、あのシーンだけでも存分に味わえて最高だった。
(欲を言うなら、フロー役を…!いつか見てみたい…!)
見終わったあと、サントラがリリースされていることを知って速攻入れた。
ただ気をつけないと、通勤中に涙が零れてしまう(笑)
本当に配信であんなに泣くとは思わなかったし、サントラ何度聞いても無限に涙出る。永遠に続く目の腫れとの戦い。恐ろしい(笑)
後日の追記。