5代目ゴットリープ(M!_20240909ソワレ観劇)
はじめに
いつもはSNSの片隅でミュオタをやっているだけだけど、もう感想の文字数が多すぎてnoteにも納めることにした。(単純にスクショしてあげるの面倒になっただけです)
2024M! Newヴォルフ
突然だが、私はモーツァルトが好きだ。
W.A.モーツァルトの曲に小さい頃なぜか魅入られて以来彼の音楽が好きだ。きっかけは多分親が持っていたCDの一つだったと思うのだけど…
キラキラと弾む音色に心を奪われた。(そして何故かベートーヴェンが苦手だった。あ、これは今もなんとなーく苦手)
ちなみに好きな曲は?と言われたら40番かなぁ…演奏した思い入れもあって。
聴いている分には好きなのに、演奏する側は辛いんですよね…フルート四重奏も忘れないよ…好きであることのプレッシャーも大きかったね、、
それはおいといて、小さい頃からオタク気質な私は子供ながらにモーツァルトとはどんな人物か、を調べたことがあるが…結果、「子供みたいな人だなぁ」というのが私の中の人物像で、根幹だったりする。
だって猥談好きだし下ネタもあるし、従姉妹とあんな書簡のやりとりするし…これそういう話が好きな5歳児とかそんな感じしない?天才ってやっぱ変じゃん??
という私のモーツァルト像を踏まえて久々のM!(前置き長い)
なかなか再演チケットに恵まれず、本当に久しぶりすぎて、あれ、M!ってやってた?レベルになっている(セットとか忘れているよもう)
M!の魅力は素敵な音楽だったり、斬新なヴォルフ像(ロックにドレッド、デニム)だったりする、という一面がフューチャーされがちだけど、個人的にはその中でいかに周囲から理解されないヴォルフであるか、が物語を真実たらしめると思っていて。
歴代ヴォルフは天才である事を理解して、さらに周囲とは違うということに対して諦めなんかも包含した上でありのまま理解してくれる人がいてほしい、愛してほしいと訴えているように思っていた。(あくまで私の理解では)それは演者の雰囲気であったり、解釈なのかもしれないが、こと京本ヴォルフはまごう事なき「クソガキ」だった。
あ、褒めています、最高に。
これぞ、私が昔から抱いていたヴォルフ!子供がそのまま図体だけ大きくなっちゃった!分別?常識?なにそれ?なヴォルフ!!そりゃ「俺の尻を舐めろ」とか作曲しちゃうよね!わかるわかる!!!
楽しいことが大好き、自分の音楽には自信がある!パパもナンネールも大好き!ただ自分がやりたい事を止められるのは大っ嫌い(大司教様とかね)を体現したヴォルフが爆誕してしまった…
おめでとう、世界。ありがとう、東宝。
楽しい事を見つけた時のしたり顔、パパに反対されてしょんぼりする顔、僕ミュを歌う時の晴れやかな感じ、もうぜーんぶ顔に出ちゃいます!な純真(言い換えれば単純)ヴォルフ。
心の赴くままに生きるヴォルフを体現していて、私の好きなヴォルフ像でした。
全くそのつもりはないのかもしれないけど、本人から滲み出る愛され力がヴォルフをよりチャーミングに見せていて。
演者から透けるその魅力もあって「このヴォルフは放って置けない」と納得感を持たせているのもね…
実際のところ友人にむちゃくちゃお金無心してるのに、これはもう助けてやらねば!と思ってしまうわ…
いや助けるよ、あの顔で変な人にお金借りられてトラブル巻き込まれたら大変じゃん(過保護)
キラキラキュルキュル変わる表情は歴代の中でも一番子供っぽいかもしれない。
あれ、この人アラサーよね???少年似合いすぎでは??
甘えん坊な感じもあって、愛される神の子(かつガキンチョ)の体現度が半端なくて、そりゃあパパは教育大変だよね!と言いたくなる。
ゆんヴォの教育と違う意味で大変だろうな、と思うこのヴォルフ。
親にとってはいつまでも子供、とかそういうんじゃないんだわ…子供なのよ。。
と、言いたくなるほどの少年性があって良きです。
一方で『影を逃れて』がどうなるか、と見ていたら、この人ルドルフ出身だからそっちのが安心安全でしたー!というか『影を逃れて』『残酷な人生』が最高すぎて!!
ルドルフ属性の方達って闇堕ちが似合うのはどうしてだろうね?
こんなにも僕ミュよりも『影を逃れて』のが楽しみというのも邪道な楽しみかもだけど、めっさ良かった。
キラキラきゅるんとしたものがギラっと狂気や苦悩を垣間見せる表情になった時、この人はやはり目の演技が良いんだ、と何回目の認識をしたことか。前々から京本大我の目の演技が好きと言いまくっているけど、今回もスタオベです。
『星から降る金』の時も、お伽話を理解してやるべき事が見つかる瞬間に一気に光が増す。
ヴォルフの世界に広がったのが分かる目の演技や表情が本当に美しすぎて、ナンバーの美しさとともに目が離せなくなる。本当は男爵夫人をしっかり拝みたいところなんですが、ヴォルフの表情が良すぎてオペラグラスが固定になりました…
あとはパパが死んだ時ねー!!!目の光がなくなり表情までガラリと変わる(一瞬の能面のような瞬間)があり、父の死により大人になったヴォルフ、が滲み出て鳥肌がたった。
その後のレクイエムの時もね…このヴォルフ本気で魂削りに来てるぞ、とぞっとする。
書けないことに焦ってるというより完成までの時間が足りなかったようにも見えるヴォルフに、あれ、ここってどう解釈すれば良いんだろう?と戸惑いながらも魅入ってしまってた。(本来であれば才能が朽ちている、が正しいのかな?)
死の匂いがとてもよく似合う人が好きなんですが()、死の間際にして死に対する絶望感をそこまで感じさせすぎないのがまたねぇ…
ゆんヴォの狂気とは違うアプローチなんだよね、なんというか綺麗。
神に愛されし子の苦悩がちょっと違うというか、、具現化できないけど違うんです。
アマデを殺すために自分が死ぬのか、自分が死ぬから才能が消えるのか、ラストはどっちなんだろうなぁ。
でも、羽ペン刺した時にちょっとだけざまあみろって感じも見えて、死が救いに見えてしまうところも。
総じて、新たなヴォルフ像だったんですが、個人的にはかなり好きなヴォルフです。
FNSでは大丈夫かなぁと思っていた低音も安定してたし、音程は問題なかったし、高音の伸びも綺麗だったし、歌ってるというより芝居の延長で感情が乗ってるし、シェルブールからさらに成長した姿を見て拍手でした。
一緒に観た子に「ミュージカル俳優」と言われてニヤついてしまったし、(ルドルフを観たことがある)家族にも「いいじゃん」と言われてでしょー!と鼻高々になるくらい、ヴォルフでした。
評判も高いしジャック以上の何か形として評価されるのではという期待も持ってしまいそう。
まぁここまで長々と語って言わなかったけど、顔がとんでも良〜〜〜!!!表情最高です!光り輝いているのは何でかね?自発光タイプですね??20分で仕上げたメイクそんな濃くないよね?その可愛さは何でしょうね?歴代ヴォルフでもかなりメイク薄くない?それであのお顔!?やばない!?!?
(うっかりグリブラの芳雄発言思い出しちゃったよ!!「優くんあまり化粧しなくてもトートじゃん!」てやつをね!!!君も同じタイプじゃないかね!?)
かなりお痩せになられて不安だけど、その分シュッとして何でも衣装が映えるし表情もよいしでこの日のために新調したオペラグラス握る力強くなって割れるかと思ったよ…
(ちなみにオペラグラスはVixen APEX J HR8x42WP、明るく見えるので涙の跡までばっちりです)
個人的にはオール黒の衣装が好きなんですが、ツイードっぽいジャケットも良き!
過去そんな衣装あったっけな??確認しないと!!
きっと千秋楽までますます成長されるんだろうなぁ…これは再演もやっていただかないと…
ミュージカル界の期待の俳優としてもっと色んな作品も観てみたいところ(個人的にはロナンとかマリウスとか年齢が、と言われそうだけどロミオも観たい)だし、1年に1回の舞台経験は良き役に恵まれてほしいと思ってしまう。
ミュオタとしては1年に1回と言わず2回でもいいんだよ…アイドルだと難しいのは分かっているんだけど、求めてしまうよね…
カテコお手振り可愛いしオケピにも振っててチャーミングなのは我らのミッ〇ーなんだよなぁ…
役が落ちた本人は落ち着いている感じに見えて、さっきまで観てたヴォルフとは違うよなぁ…と改めて。
板の上に生きてくれてありがとね、京本ヴォルフ。
2人の女性キャスト
さて、ここまでヴォルフを語っていて疎かにしてはいけないのが、ナンネールとコンスタンツェ、ヴォルフを彩る女性キャスト。
私、ナンネールむっっちゃ好きなんです。
健気ないい子だし女じゃなかったら、という当時の世相にイギイギしつつ(こちとら社畜なので、そういった世界とは無縁ですが!!)、どうして外の世界に出さなかったんだパパ!!という気持ちになる。
そんな大好きなナンネールを千弘ちゃんで見る事ができるとは!!
私が観ていた千弘ちゃんはTdVのサラやマグダ、インザハイツのヴァネッサといった芯のある女性だったり強気な女性だったりが多かったから、可愛くて優しいナンネールを観られて幸せでした。
千弘ナンネールも京本ヴォルフも箱入り感が強くて、あー大事に育てられましたね〜と思う。
ゆんと並んだ時より天然姉弟感がより出ていて、この2人優しい世界のプリンスとプリンセスだわ…
コンスタンツェ演じた千弘ちゃんがナンネールになって戻ってくるのもまた胸熱ですよね…
若かりし頃も大人になっても慈愛に満ちたナンネール…本当に幸せになってほしいと心から思うし、弟を憎みきれていない(結局のところ愛している)のが伝わるとても好きなナンネールでした…。
一方のコンスは希帆ちゃん。
演技も歌も安心だからどんなコンスになるのかな〜とワクワクしてたらとんでもないものになりましたね…
『ダンスはやめられない』、なんだこれは。
え、ちょっと待って私の知っている曲?
確かに名曲だけど、そういうアプローチある??
コンスって世間一般では悪女なんで、その面が際立つ印象のある曲だと勝手に思っていたんだけど、夫に辟易してダンスと酒に明け暮れる女性というより、愛されない寂しさを埋めるためにダンスに明け暮れる、夫の理解者であろうとする女性像が見えて(これは私が年齢を重ねたからなのだろうか…)、健気では?
希帆ちゃんの迫力もすごくて、こんなに難しい曲なのに感情を乗せて歌い狂っていて鳥肌が止まらなかった。
うまく愛せない/愛されない少女の姿も垣間見えて、コンスタンツェがとても魅力的に見えてしまう。
2幕の狂うヴォルフの横でおびえる姿も、『あのままのあなた』も今までの夫を捨てた印象の強い悪女ではなくて、愛情に餓えた寂しい女性の方が本質なのかな?と思わせてくれた。
まさか2024にして新たなコンス像を得るとは!!
あと年を重ねていっているのが分かる声色がね…若い頃のハリと冒頭の声が全然違う。勿論、劇中で進んで行く中でも歳月が過ぎてるってのが分かるし、さすが希帆ちゃん…と拍手してしまいますよね…
コンスはアマデに嫌われなければ最後まで出られたんだろうなぁ…(個人的には途中退場のイメージ)
ナンネールがあの箱を開けるのはアマデが許している存在だからなのかも、とか思ってしまう。
アマデちゃん、才能の概念だから淡々と作曲をしているだけの印象だけど、コンスも酔っ払いの友人達もコロレドも優柔不断なヴォルフも嫌いで、パパとナンネールは好きに見える。そこは幼い頃の”アマデウス”の概念でもあるのかなぁ…
だめだ考察と感想が入り乱れてて、どうにも上手く言葉がまとまらない。
観るだけでごっそり体力精神力奪われる作品だから演者は尚のこと大変だろうな…
怪我なく博多座まで完走できますように!そして円盤化しますように!!!
※偶然にも本日東宝チャンネルにてプロモ映像が上がったので、これは本当に期待大なのですが!!買うんで!!お願いします!!!